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2016年2月7日(日)

「改憲」意見書 33都府県議会で採択

広がる抗議・批判の声

日本会議主導  自民ゴリ押し

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 「自主憲法制定」を主張する右翼改憲派「日本会議」が主導した、地方議会での改憲を求める意見書採択が33都府県議会に広がっています。多くは、自民党単独による採択で、議会の慣例を破る強引な手法です。日本共産党はこの動きに強く反対しており、各地の護憲、民主団体、法曹関係者らから批判があがっています。

 (竹腰将弘)


全都道府県で「決議」目指す

 意見書採択は改憲に向けた「国民運動」と位置づけられており、日本会議などがつくる「美しい日本の憲法をつくる国民の会」(共同代表、ジャーナリストの櫻井よしこ氏ら)が昨年11月、都内で開いた集会では、今後の運動方針として「憲法改正の早期実現を求める地方議会決議を47都道府県全てで実現する」と掲げました。

 もともと、2013年11月に日本会議が開いた全国代表者会議で改憲意見書を促すことが提起され、この場に参加していた石川県議会議員が議会に持ち込み、14年2月に意見書を採択させたのが最初の事例。

 自民党本部もこれに飛びつき、同3月13日付で各都道府県連会長、幹事長あてに意見書採択の要請文を発し、石川県議会の意見書を文案として添付。その後、各地に広がりました。(表)

 各地の意見書はほぼ同じ内容で「国会に憲法改正の早期実現を求める」としています。

 意見書は、日本会議などが議会に提出した意見書採択を求める請願を採択したうえ、意見書案にまとめ、それを採択するという手順がとられています。

 意見書については、議会の慣例として、全会一致を原則とするルールがあり、日本共産党が強く反対、民主系会派、公明党も議会によって反対や棄権、賛成とまちまちな態度をとるなか、多くの議会で自民党が数にものをいわせて採択に持ち込むごり押しがされています。

日本共産党 正面から対決

 日本共産党は「多数の国民は改憲を望んでいない」(佐藤正雄福井県議)、「県民の総意もなく数の力で採択しようとする暴挙は絶対認められない」(天下みゆき宮城県議)と議会で正面から立ち向かってきました。

 兵庫県議会では、請願だけは自民党などの賛成で採択したものの、日本共産党をはじめとする議員の反対で、意見書提出は阻止するという結果になっています。神奈川県議会では、公明党を賛成に引き込むために、意見書の案文から「憲法改正の早期実現」という文言を削除、「国会における憲法論議の推進と国民的議論の喚起を求める」という欺瞞(ぎまん)的な意見書が採択されました。

 その後、同様の案文で意見書を採択した議会は東京、京都など5都府県になっています。

 日本共産党はこうしたごまかしにたいしても、「安倍首相の暴走政治を後押しすることになる意見書」(尾崎あや子東京都議、ばばこうへい京都府議らの反対討論)と厳しく批判、反対しています。

 各地の憲法会議などの護憲、民主団体は、意見書採択の動きに抗議、議会への申し入れなどを行っています。

 和歌山県では青年法律家協会、自由法曹団など法律家等4団体が県議会議長、各会派に申し入れ。群馬県弁護士会は会長談話で「憲法改正の結論ありきのもの」と意見書を批判しています。

図

 意見書 地方自治法は、地方公共団体の公益にかかわる事柄について、議会の議決にもとづき、意見や要望を内閣総理大臣や国会などに提出できるとしています。法的拘束力はありませんが、住民代表である議会の総意として尊重されます。


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