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2016年2月7日(日)

主張

北朝鮮の発射予告

核・ミサイルの挑発をやめよ

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 北朝鮮が「地球観測衛星」の打ち上げとする事実上の長距離弾道ミサイルの発射予告の期間を7日からにくりあげたといわれます。北朝鮮は1月初め、「水爆」だとして4度目の核実験を実施したばかりです。ミサイル発射まで強行すれば、世界と地域の平和と安定への一層の逆流となります。国連安保理は新たな決議を準備しており、北朝鮮は、高まる国際社会の批判を直視し、発射計画を撤回すべきです。

核開発を続けて禁止され

 北朝鮮は今回も「平和的宇宙開発は国際法による合法的権利」として発射の正当化を図っています。しかし、北朝鮮の衛星発射が禁止されたのは、同国が国際社会の批判にもかかわらず核開発を続け、核実験を繰り返したからです。

 大型ロケットであれ、ミサイルであれ、使われる技術は共通です。衛星でなく核兵器が搭載されれば、ロケットではなく軍事攻撃のミサイルとなり、その可能性への懸念は当然です。実際、北朝鮮の金(キム)正恩(ジョンウン)第1書記は1月1日の年頭演説でも「核爆弾を爆発させ、人工衛星を打ち上げ」と、核と「衛星」を並べ、事実上一体のものとして誇示していました。

 2009年、北朝鮮によるミサイル発射と2度目の核実験の強行後に採択された安保理決議は、同国に対し核実験はもちろん、衛星打ち上げのロケットを含め「弾道ミサイル技術を使ったあらゆる発射」を禁じました。発射すれば、一連の安保理決議や日中韓米ロと北の6カ国協議の合意、日朝平壌宣言に違反するのは明白です。

 北朝鮮は、安保理決議に従いミサイル・核開発を放棄し、核不拡散条約(NPT)と国際原子力機関(IAEA)の全面的な保証・査察体制に戻るべきです。「そうしてのみ北朝鮮は事実上の国際的な孤立から抜け出し、核と宇宙の平和利用を含むさまざまな分野における国際協力への参加の道を開くことができ」(ロシア外務省)ます。

 核開発について北朝鮮は、米国の「敵視政策」への「抑止力」としてきました。最近は、「世界の9カ国がすでに(核兵器を)開発し計2000回以上の実験をやった」とのべ、“われわれがやって何が悪い”と開き直っています(昨年10月の国連総会での外相演説)。米国など保有国の核兵器への固執と増強は人類への重大な脅威ですが、それで北朝鮮の核開発が許されるわけではありません。他の保有国同様、核兵器の廃絶を求める世界の厳しい批判の的となるだけです。

 北朝鮮も同意した6カ国協議の05年の共同声明は、朝鮮半島の非核化に加え、米朝、日朝の関係正常化、経済協力なども展望しています。北朝鮮は核兵器やミサイルをもてあそぶのをやめ、協議への復帰に真剣に動くべきです。

結束した強い働きかけを

 「衛星ロケット」のルートは韓国や日本、台湾などの近海で、不安の声が上がっています。打ち上げ計画自体が「平和目的」どころか、地域と世界の平和と安定への逆行です。北朝鮮は国際社会の批判を受け入れ、自らも参加した合意を守ることこそ、国際社会の責任ある一員となり、自国の安全と発展を確保する道です。国際社会は結束して、打ち上げを撤回させ、核・ミサイル問題の解決のために政治的外交的な努力と北朝鮮への働き掛けを強めるべきです。


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