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2016年2月3日(水)

国民監視違法 再び認定 原告ら集会

自衛隊派兵反対の力に

安倍政権に痛打

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(写真)意気高い発言が相次いだ報告集会=2日、仙台市

 自衛隊の国民監視の違法性を一審に続き、再び認めた仙台高裁の勝訴判決を受けて、判決後に原告弁護団は記者会見と報告集会を開き、声明を発表しました。

 会見で、原告弁護団の十河弘弁護士は、2回続けて自衛隊の違法性が認められたことは大きな意義があり、内部文書を自衛隊が作成したものと明確に認めたことも重要だと指摘しました。一方、原告4人への損害賠償と監視差し止めを却下したことは不当だと声明の趣旨を説明しました。

 勅使河原安夫弁護団長は「不当な部分はあるが、内部文書を認定するなど内容的には勝った判決だ」とのべ、原告団長の後藤東陽氏は「これは勝ったんだと思います。問題は人数ではない。1人でも裁判所が憲法13条違反を認めてくれた。今後の私たちの頑張る力のもとをもらったと思う」と語りました。

 内藤功弁護士は、不当な点と、使える点がある判決だと評価し、「戦争法に基づいた自衛隊の南スーダンへの派遣反対運動に生かしていける」と強調しました。原告弁護団は、上告の方向で検討しているとのべました。

 報告集会では、原告や弁護団が「自衛隊の監視行為を憲法違反と断罪した画期的な判決だ。これからの活動に生かしていこう」「初めは納得できなかったが、今後に生かせるという弁護団の説明にこれからも頑張ろうと思えた」と意気高い発言が相次ぎました。

解説

裁判官全員交代でも変わらず

 国民監視差し止め訴訟の仙台高裁控訴審判決で、一審に引き続き監視活動の違法性を認定する判断が出されたことは、「戦争する国づくり」をめざす安倍政権に痛打を浴びせるものです。

 控訴審では、陸上自衛隊情報保全隊の鈴木健元隊長と、同隊を指示する立場にある陸上幕僚監部の末安雅之元情報保全室長の法廷尋問を実現しました。

 そのなかで、情報保全隊が広範な市民の運動を「反自衛隊活動」と敵視し、執拗(しつよう)な監視を続けていることが改めて浮き彫りになりました。

 ところが、判決が近づくと熱心に審理を進めていた裁判長をはじめ、3人の裁判官が全員交代するという極めて異例の事態に。原告側は、公正な審理を行うために鈴木氏らの再尋問を求めましたが、新裁判長は認めませんでした。

 そうした状況下での判決でしたが、監視活動の違法性認定は覆りませんでした。

 憲法に反し市民のプライバシーを侵害する行為は、現憲法下では絶対に認められないからです。国、防衛省・自衛隊はその重みをかみしめ、国民監視をただちにやめるべきです。

 (森近茂樹)


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