2016年2月1日(月)
被災者支援は命の問題
大震災5年 3県弁護士会がシンポ
|
東日本大震災から5年を迎えるにあたり、岩手弁護士会、仙台弁護士会、福島県弁護士会がシンポジウム「災害5年目で見えた課題」を31日、仙台市内で開きました。一人ひとりの被災者の状況に合った支援策の必要性が強調されました。
仙台弁護士会の安本裕典氏が、自宅で生活する在宅被災者について支援情報が届いていない、税金滞納があると支援の対象外に置かれてしまう実情を報告。▽情報を被災者に丁寧に伝えるアウトリーチ▽家屋の損壊判定の改善、支援金の増額、災害公営住宅入居条件の緩和などの住まい対策の改善▽医療費援助の継続、心理的サポートなど福祉施策の充実▽融資でなく給付型の生業(なりわい)支援―が必要だと述べました。
岩手弁護士会の在間文康氏が陸前高田市の仮設住宅での相談活動の経験から、▽生活再建支援制度が支援金が少ないなど十分でない▽資金貸付制度があっても保証人を求められるなど活用できない制度がある▽災害公営住宅も戸建てなど多様性が少なく被災者の受け皿になっていない―と説明。災害関連死認定で裁判を起こし認められた例を紹介し「生きている間に支援が届いていれば、死ななくてすんだのではないか。被災者支援は命の問題だ」と強調しました。
「阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター」の菅野拓氏が災害復興法制改善について報告しました。