2016年1月31日(日)
きょうの潮流
まだ1月ですが、早くも、ことしの流行語に? 「あまりにひどい」。甘利大臣の辞任会見をみて、思わず口をついて出た言葉です▼1000円や1万円ではありません。百万円もの大金です。大臣室や地元事務所でもらっていながら「記憶の整理」に何日もかかるような人物に、TPPのような、日本の未来にかかわる大問題の国際交渉を任せてきたなんて「あまりにひどい」▼口利き・接待、汚いお金をもらっても平然とする。逃れられなくなると「秘書」のせいにする。昔もいまも変わらぬ「あまりにひどい」金権腐敗の自民党の言い訳。庶民とかけ離れた、その金銭感覚は言語のすりかえにも表れます▼往生際の悪さを、「政治家の矜(きょう)持(じ)」と開き直る。「矜持」とは、「自信や誇りをもって、堂々と振る舞うこと」(『大辞林』)です。汚いお金で口利きを頼まれてもきっぱり拒むのが「矜持」でしょう。「あまりにましてひどい」というか、「甘利よりひどい」のが、アベさんです▼第1次内閣から改造内閣まで重要ポストを与え続けた任命責任をどう取るのか。汚いお金の疑惑がこれだけ大きくなっても「個々の政治家の責任だ」と答弁する態度に、任命責任者としての「矜持」はみじんもなし▼「深くおわびしたい」といった中身のない言葉で済ませません。大臣の資質も資格もない人物をかばい続け、疑惑の真相解明に一言もない。「あまりにひどい」「アべ政治を許さない」と国民の「教示」で戦争法ともども退場させるしかありません。