2016年1月30日(土)
きょうの潮流
「ママのおなかからぶじにうまれてきてよかったです。ママうんでくれてありがとう。ママとパパが大すきだよ。ずっとずっといっしょにいようね」▼小学1年生が書いた「おうちの人へのおてがみ」です。長年、小学校の教員を務めた金田一清子さんの実践集『子どもの笑顔にあいたくて』で紹介しています。本紙の相談コーナーでもおなじみの金ちゃん先生は児童詩教育を柱に学級づくりを進めてきました▼在籍した学校では「生命尊重」をテーマにした授業を全校で。受け持った1学年のテーマは「大せつないのち」。いじめによる自殺や虐待など子どもをめぐる悲しい事件が続き、胸を痛めていました▼いまも目を覆い、耳をふさぎたくなるニュースが連日、流れています。「ガンつけられた」と母親の交際相手から執ように暴行され、「ママ苦しい」と訴えながら死んでいった3歳の男児。鬼畜のごとき暴力におののきます▼ロープで拘束され、満足な食事も与えられず、小さな体にやけどや多くの傷痕を残してこの世を去った女児…。児童虐待は年々増え、いまも暴力にさらされている子どもたち。児童相談所への通告も最多を更新しています▼通告件数の増加は虐待への関心の高まりも。しかし先の女児は近所の住民が110番しながら、警察は相談所に知らせていませんでした。親を責めるだけでは解決できない虐待。それを生み出した社会全体で克服しなければ。子どもたちが心から「うんでくれてありがとう」といえるためにも。