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2016年1月30日(土)

日銀、初のマイナス金利

物価2%目標 三たび先送り

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 日銀は29日の金融政策決定会合で、マイナス金利政策の導入を決めました。金融機関が日銀当座預金に必要分を超えて新たに預け入れる際の金利(付利)を現行の0・1%からマイナス0・1%に引き下げます。2月16日から適用します。銀行が日銀に預けるお金から利子を取る政策です。導入は日本の金融史上初めてです。9人の委員中4人が反対する異例づくしの決定でした。

 2013年4月に導入した現在の量的・質的緩和政策(異次元の金融緩和)下で緩和策の強化は、14年10月末に続き2回目。国債や株価指数連動型の上場投資信託(ETF)などを大量に買い入れる政策は現状維持としました。

 決定会合後に公表した「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」では、原油安を踏まえ、2%の物価上昇目標の実現時期をこれまでの「16年度後半ごろ」から「17年度前半ごろ」に先送りしました。目標実現時期の先送りは3回目。16年度の消費者物価上昇率の見通しは前年度比0・8%(従来1・4%)に下方修正しました。

 日銀は13年4月の大規模緩和導入から2年程度で2%の物価上昇率実現を目指していました。「17年度前半ごろ」は異次元緩和開始から5年目。異常な政策がさらに長期化します。

 会合後に発表した声明文で日銀は、原油安や中国経済の先行き不安などで「金融市場は世界的に不安定な動きとなっている」と表明。「物価の基調に悪影響が及ぶリスクが増大している」との見解を示しました。


 マイナス金利 中央銀行が政策金利を0%より低くする政策。普通、金融機関にお金を預ければ、利子をもらえますが、マイナス金利では逆に預けた側が利子を払うことになります。今回の日銀の決定は、民間銀行が日銀に預けるお金にマイナス金利を適用します。日銀に預けたお金から利子を取られて損をするので、銀行は民間企業への貸し出しを増やすようになるとされます。欧州中央銀行が同じ政策を実施していますが、効果はあがっていません。一般の預金者が民間銀行に預けるお金にマイナス金利が適用されるわけではありません。


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