2016年1月30日(土)
高浜3号機 再稼働強行
住民の安全と不安置き去り 地元・各地で抗議
原発の再稼働推進の安倍政権の下で、関西電力は29日、高浜原発3号機(福井県高浜町)の再稼働を強行しました。再稼働に反対する大多数の国民の声を無視し、地元住民の声もまともに聞かない暴挙に対し、各地で市民団体などが「住民の安全と不安を置き去りにするな」「福島原発事故は収束してない」と抗議の声を上げました。
再稼働は、東京電力福島第1原発事故後の新規制基準の下では、九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)に続く3基目。高浜原発3号機は2012年2月の定期検査以来、3年11カ月停止していました。
3号機は、再稼働で初めてとなる、使用済み燃料を再処理したウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料を使うプルサーマル発電を実施します。MOX燃料は通常のウラン燃料に比べ、原子炉で核分裂反応を停止させる制御棒が利きにくいなどの危険性が指摘されています。
また、高浜原発が立地する若狭湾周辺には、廃炉中を含め15基の原子炉が集中します。しかし、災害で複数の原発が同時に事故を起こす危険性は審査されていません。
避難計画が義務づけられた30キロ圏は福井、京都、滋賀の3府県12市町が入り、最も人口の多い京都府舞鶴市の約8万7000人はじめ約18万人が暮らします。ただちに避難する5キロ圏に全国で唯一、2府県が入ります。福井、京都、兵庫、徳島へ避難する計画を政府は了承していますが、訓練は一度も実施せず、実効性は検証されないままです。
高浜原発の使用済み燃料プールに余裕はなく、すでに67%埋まり、1〜4号機が再稼働すれば7年余りで満杯。使用済み核燃料の再処理で発生する「核のゴミ」の最終処分の見通しも立たないなど、課題を先送りした再稼働に国民の批判や不安は増すだけです。