2016年1月21日(木)
海自隊員自殺未遂で追及
井上議員 “隠蔽体質あらためよ”
参院外交防衛委
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日本共産党の井上哲士議員は19日の参院外交防衛委員会で、海上自衛隊の潜水艦「そうりゅう」内で上官から暴力を受けた自衛隊員の自殺未遂事件(2013年9月)をとりあげ、防衛省・自衛隊側の隠蔽(いんぺい)体質を追及しました。
隊員の家族は13日、事故の原因は上官によるいじめだったとして国を提訴する旨を会見で発表。海上自衛隊は昨年10月に事件に関与した上官3人を非公表処分をしていましたが、家族側の会見の翌日に一転して処分を公表しました。
井上氏は、海自がこれまで処分を公表しなかった理由として「家族の一部から公表を望まない旨の希望があった」としている一方、家族は「海自の担当者から『公表すれば騒ぎになる』と言われた。公表しないように希望したことはない」と述べていることを紹介し、両者の主張が食い違っていることを指摘しました。中谷元・防衛相は「今回ご家族が会見をされて、情報公開の了解が得られたと思い公表した」などと説明しました。
隊員の家族が国を提訴する理由は、自衛隊が今回の自殺未遂事件の原因を上官によるいじめと認めず「暴力を伴う不適切な指導」だと軽い処分にとどめたためです。
井上氏が「防衛省におけるパワーハラスメントの防止等に関する指針」(2015年)に記載される従来のいじめ・パワハラ等に該当するとただしたのに対し、深山延暁人事教育局長は「いじめを明確に定義はしていないが、指針のパワーハラスメントには当てはまる」と初めて認めました。