2016年1月21日(木)
消費税 社会保障に回らず
紙議員 “増税で景気悪化”告発
参院本会議
|
日本共産党の紙智子議員は20日、参院本会議で2014年度決算についての代表質問に立ち、消費税増税や震災復興、環太平洋連携協定(TPP)をめぐる安倍晋三首相の姿勢をただしました。
紙氏は、14年度に税率が5%から8%に引き上げられた消費税増税について、政府は「消費税の増税分は全額社会保障に充てる」と宣伝してきたが、決算を見れば社会保障関係費にほとんど活用されなかったことは明らかだと指摘。内閣府の「ミニ経済白書」では増税に伴う物価上昇が実質所得を減少させ、消費を1兆円弱押し下げたとしていることにふれ、増税が暮らしも景気も悪化させただけだったことを告発しました。
首相は、8%への増税が「消費に大きな影響を与えた」と認めながら10%への再増税には固執しました。紙氏は増税の中止を求め、消費税に頼らずに社会保障財源を確保し、財政危機を打開する別の道を提案しました。
紙氏は、14年度の震災復旧・復興財源をめぐって、企業への復興特別法人税を1年前倒しで廃止し、穴埋めに国民の税金を充てていたり、防衛省の「武器車両整備費」が温存されていると指摘。予算は被災者が第一の復興にあてるべきだとして、医療・介護の負担減免措置の復活などを求めました。
紙氏がTPPについて、関係文書は英・仏・スペイン語で正文が作られるが、なぜ日本語は作られていないのかとただすと、安倍首相は「日本語を正文として追加するよう交渉することは現実的ではなかった」と答弁。日本政府が要求しなかったことが明らかになりました。
紙氏は全交渉文書の公表を要求するとともに、「日本が批准しなければTPPは発効しない」と述べ、批准阻止に力を尽くす決意を表明しました。