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2016年1月20日(水)

主張

子どもの貧困

消費税増税は未来閉ざす逆行

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 6人に1人が貧困状態に置かれ、あらゆる世代が貧困に陥る危険と隣り合わせで生きている現実を、どのように打開するか―。いま政治に問われている大問題です。とりわけ日本の未来を担う子どもの貧困の解決は待ったなしの課題です。ところが安倍晋三政権は、この問題に真剣に向き合わず解決する姿勢もありません。それどころか貧困世帯に打撃となる消費税増税を来年4月から実施しようとしています。貧困をますます深刻化する、こんな逆行は許されません。

世界有数の「貧困大国」

 日本の相対的貧困率は上昇を続け、最新の政府統計(2012年)では16・1%、約6人に1人が貧困ライン以下で、子どもの貧困率は16・3%にのぼります。母子家庭など一人親家庭の貧困率は54・6%(同)と突出した高さを示し、経済協力開発機構(OECD)加盟34カ国で最悪となっています。「日本が世界有数の『貧困大国』」(18日、日本共産党の小池晃副委員長の参院予算委員会質問)であることは動かせぬ事実です。

 そのもとで何が起きているのか。経済的理由で子どもの医療機関の受診を控える貧困世帯が、そうでない世帯と比べ4・4倍もあります。大学進学率は、全世帯73%にたいし生活保護世帯31・7%などと著しい落差です。文部科学省の委託研究でも、貧困世帯の子どもが長時間学習しても正答率が低い傾向にあり、「自助努力」では限界があることも示しています。

 貧困世帯の子どもの進学状況などが改善した場合、生涯所得の合計が2・9兆円増え、国の財政が1・1兆円改善する民間機関の推計もあります。本気で子どもの貧困対策を講じなければ、日本社会全体にとっても大きな損失になることを浮き彫りにしています。

 深刻な事実を次々と示し追及する小池氏にたいし、当初は貧困の現実を直視しようとしなかった安倍首相も「貧困の連鎖」を断ち切る必要性は認めざるをえませんでした。しかし、安倍政権の実際の政策は、貧困解消どころか、貧困を加速させるものばかりです。

 最たるものが一昨年4月から8%、来年4月から10%への消費税率の引き上げです。食料品など一部税率を据え置いても、所得の低い人ほど負担が重い「逆進性」が強まることは政府も認めました。貧困対策に「政府挙げて取り組む」(安倍首相)といくら繰り返しても、消費税増税はその土台を掘り崩すものです。首相は一人親世帯の第2子からの児童扶養手当の増額をするなどと強調しましたが、一人親世帯の約6割を占める子ども1人世帯には何の恩恵もありません。だいたい生活保護世帯で子どもの数が多いほど削減幅の大きい生活扶助費削減などを強行したのは安倍政権ではなかったのか。

 子どもの未来を開くためにも貧困を加速させる安倍政治からの根本的転換がいよいよ急務です。

政策の根本的転換を急げ

 「社会保障安定」のためといって消費税増税を国民に押し付けておきながら、社会保障費の大幅削減を続ける安倍政権に道理も大義もありません。貧困対策のためにも、来年4月からの消費税増税は、きっぱり中止すべきです。

 「内部留保」を増やす大企業向けの減税、軍事費のムダ遣いなどをやめれば消費税に頼らなくても社会保障財源の確保は可能です。


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