2016年1月17日(日)
夜間定時制なくすな
東京都 存続を求める署名6000人
東京都教育委員会が昨年11月に都立高4校の夜間定時制を廃止する都立高校改革推進計画・新実施計画案を発表したことを受け、PTAや同窓生、市民らでつくる「都立高校のいまを考える全都連絡会」(国松芳美代表)は14日、定時制存続を求める共同声明を発表し、約6000人分の署名付き請願を都教委に提出しました。
都教委はすでに、100校以上あった定時制を44校まで減らしてきました。再編計画は、さらに4校の廃止を打ち出しています。
同日開いた会見で、夜間中学の講師を務める澤井留里(るり)さんは「夜間中学卒業者の6割が夜間定時制に進学している。近くの定時制高校がなくなり、多くの生徒が高校進学をあきらめる実態を承知してほしい」と告発しました。
存続を求める声明に賛同したのは、夜間中学を舞台にした「学校」を手掛けた映画監督の山田洋次さん、法政大学名誉教授の相田利雄さん、大田堯(たかし)さんら日本教育学会の歴代会長4氏、すでに廃止された両国高校定時制卒業生で報道カメラマンの石川文洋(ぶんよう)さんなど80人。
会見で石川さんは「多くの友人と将来について語り合った。そういう学校を必要としている若者がいる限り、なくさないでほしい」と訴えました。
同連絡会事務局の中島康浩さんは「夜学生は苦学生。その分、人間のきずなが固く結ばれる場所です。定時制を卒業した生徒たちは、それぞれの地域で世話役や地域貢献をかって出ている。きめこまかな指導ができる定時制を地域からなくすべきではない」と話しています。
再編計画と請願は、2月中旬に都教委で審議されます。