2016年1月16日(土)
核兵器保有は自らと世界を危険にさらす
国連事務総長 訴え
今年の課題 核軍縮・不拡散を
【ワシントン=島田峰隆】国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長は14日、「自国の安全保障を核兵器の保有や獲得の問題としてとらえる国々は自らと世界全体をますます危険にさらすだけだ」と語り、核軍縮や不拡散に取り組むよう国連加盟国に訴えました。今年の課題についての国連総会への報告で述べました。
潘氏は「核兵器は人類への脅威となっている」と強調。包括的核実験禁止条約(CTBT)が発効していないことや、核保有国が核弾頭の近代化に巨額の予算を費やしていることに懸念を示しました。
また「暴力的で無責任な非国家主体が出現するなかで核兵器の危険は増大している」「危険な連鎖を止め、核軍縮と不拡散を国際的な課題の中心に改めて据えよう」と語りました。
特に北朝鮮が6日に行った核実験について、「国連安保理決議に違反する行為だ」と非難しました。
今年の課題の一つとして潘氏は、過激主義への対応を挙げ、「われわれの難題は、過激主義を助長する逆効果の方法を用いて自分自身を傷つけてしまうことなしに、ISなどに打ち勝つことだ」と指摘。「良く計算された、安全保障に基づく対テロ措置は必要だ。しかし対応の中心には人権を据えなければならない」と述べ、統治の失敗、排除や絶望などへの対処を求めました。