2016年1月15日(金)
桜田元文科副大臣「慰安婦はビジネスだ」
日韓合意否定の暴言
14日の自民党の外交関係合同会議で、同党の桜田義孝元文部科学副大臣が、旧日本軍「慰安婦」問題に関し、「(慰安婦は)職業としての娼婦、ビジネスだ。犠牲者のような宣伝工作に(日本は)惑わされ過ぎている」と暴言をはきました。旧日本軍によって本人の意思に反して強制使役の下におかれ、性奴隷状態におかれた歴史的事実を否定するもので、「当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた」とする政府の見解すら覆す認識を示しました。
桜田氏はさらに、「(慰安婦を)職業としての売春婦と言うことを、遠慮することない」と求めました。桜田氏はその後「誤解を招くところがあったので撤回する」とのコメントを発表しました。
桜田氏の発言について菅義偉官房長官は同日の記者会見で、「いちいち議員の発言に答えることはすべきでない」と述べ、無責任な態度に終始しました。
昨年末の日韓合意で政府は、旧日本軍「慰安婦」問題について、「当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題である」と認め、「責任を痛感している」と表明。安倍首相も「心からおわびと反省の気持ち」を明言しています。その上で政府は「元慰安婦の方々の心の傷を癒す措置を講じる」と表明するとともに、同合意によって「慰安婦」問題が「最終的かつ不可逆的に解決されることを確認する」としました。
桜田氏の発言は、こうした合意を真っ向から否定し、不可逆的(蒸し返さない)とする言明にも反するものです。政府はこうした発言を許さない立場を内外にはっきりさせることが求められます。