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2016年1月11日(月)

自衛隊に個人情報を提供

宜野湾市民に怒り広がる

戦争協力許さない

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(写真)個人情報の無断提供した現市長にレッドカードを掲げてパレードする人たち=昨年12月、沖縄県宜野湾市

 沖縄県宜野湾市が昨年5月、自衛隊の求めに応じて入隊適齢期(18〜26歳)約9900人の住所・氏名などの記載された名簿を、本人の同意も得ず提供していた個人情報提供問題。同市長選の17日告示(24日投票)まで1週間と迫る中、「戦争法を強行した安倍政権に手を貸し、若者を戦争に駆り立てるような行為は許せない」と、市民に怒りが広がっています。

 名簿は、自衛官の採用業務を担う自衛隊沖縄地方協力本部(地本)が昨年3月、市町村に紙媒体での提供を「依頼」したもの。入隊適齢者のいる家庭に自衛官募集のパンフレットを郵送などで直接届ける目的です。

 依頼を受けて宜野湾市は、住民基本台帳から適齢者の名簿を取りまとめました。市の個人情報保護条例は原則、個人情報の外部提供を禁じていますが、市は「法令等に定めがある」として例外に当たると判断。しかし、条例を取り扱う担当部局に諮ることさえしませんでした。

 こうした市のやり方に対する市民の怒りは大きく、「20歳の娘が怒って、成人式にも行きたくないと言っている」との声が上がっています。

 名簿提供の昨年5月末は、自衛隊を海外の戦地に送る戦争法が大問題になっていた時期。2人の子の個人情報を提供された女性(49)は「戦争法強行を念頭に、国が狙う自衛隊員の確保に率先して協力したようなもの。若者を戦場へ送ることに道をひらく現市政の判断は信じられない。私の子どもたちも勝手に提供されて本当に怒っています」と話します。

 県内41市町村で名簿を提供したのは、宜野湾市と沖縄市のみ。他市町村は、個人情報の保護を重視するとともに「沖縄戦で悲惨極まる体験をした住民感情に配慮し、見送った」としています。沖縄市も「手続きに慎重さを欠いた」と謝罪しましたが、宜野湾市だけは「法的に瑕疵(かし)はないので謝罪はしない」という立場をとり続け、市民の声に耳を貸そうとしません。

 米軍普天間基地の閉鎖・撤去を訴える、市長選に挑むシムラ恵一郎予定候補(63)=新=は、7日の公開討論会で「市民への謝罪」を求めましたが、佐喜真淳市長は改めて拒否しました。

 市民有志でつくる「宜野湾市長による自衛隊の名簿提供に抗議する市民の会」は、名簿の無断提供に対する抗議集会やサウンドパレードの開催に取り組んできました。「戦争を手伝う市長は代えよう」と訴えています。


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