2016年1月11日(月)
主張
成人の日
主権者として政治を変えよう
新成人のみなさん、おめでとうございます。人生の門出にあたって、みなさんの前途を心から応援します。
新たな動きの始まり
昨年、安倍晋三政権による戦争法の強行成立にたいして、SEALDs(シールズ)(自由と民主主義のための学生緊急行動)をはじめ若者が、全国で声を上げました。一人ひとりが主権者として、自分の頭で考え、自分の言葉で語り、自分の足で行動する。政治にあきらめず、主権者である自分たちが変えるんだ、と強い自覚をもって立ち上がる。こうした若者の姿は多くの世代を励ましました。
「未来は私たち一人ひとりの手の中にある」―。昨年末におこなわれたデモで、若者が訴えた言葉です。新成人への意識調査では、65%が「自分たちの世代が“日本を変えてゆきたい”」と答えています。自分たちの将来を脅かす政治を、自分たちの力で変えるんだという流れは、とどまるところがありません。
夏は参議院選挙が行われます。日本共産党は、政党、団体、個人が力をあわせて「戦争法廃止の国民連合政府」をつくろうと提案しました。若者やママ、学者の会、労働組合などが「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」を結成し、野党共闘を求めるなど、参院選への活動を始めています。始まった新たな歩みを、政治の変革につなげるときです。
戦争法は、このまま放置できません。戦争法によって、若者への現実の危険が迫っています。自衛隊はいま、内戦が続く南スーダンに派遣されていますが、そこで新たに、「駆けつけ警護」が狙われています。日本の若者が戦後初めて、戦場で「殺し、殺される」事態を引き起こしかねません。戦争法は廃止するしかありません。
安倍政権の暴走は、戦争法にとどまりません。沖縄の新基地建設や消費税増税など、国民多数の願いをふみにじる政策が目白押しです。学費の大幅値上げ計画にも、強い批判と怒りがおこりました。学生は今でさえ、奨学金返済の不安にかられ、ブラックバイトに追い立てられています。学生を苦しめ、将来を閉ざそうとする政治に、未来はありません。
安倍政権の暴走は目に余ります。とくに、どんなに国会で多数をもっていても憲法の枠組みに反する政治を行ってはならない、という立憲主義をふみにじったことは重大です。このままでは、独裁政治になりかねません。立憲主義を回復することは、平和や民主主義、暮らしのすべてにおいて、国家によって侵害され、傷つけられている「個人の尊厳」を回復し、守り、大切にする社会をつくることです。一人ひとりが人間として尊重される政治への可能性がひらかれます。
若者の力を参院選へ
科学的社会主義の先駆者カール・マルクスは、人間解放のもっとも中心的な課題として、「すべての個人の自由で全面的な発展」を位置づけました。日本共産党は、近代民主主義の中核的な概念である「個人の尊厳」「個人の尊重」を受けつぎ、豊かに発展させることをめざしています。
参院選では18歳選挙権が初めて実施され、その動向が注目を集めます。若い力で政治を変える絶好の機会です。ともに政治を変え、希望ある未来を開きましょう。