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2016年1月10日(日)

東京都神社庁が偽装改憲署名

“憲法改正に賛成”→“内容見直して” 文言変え9条破壊隠し

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 初詣でにぎわった年頭の神社で、参拝客をねらって憲法9条破壊の改憲賛同署名集めが行われたことが批判を呼んでいます。都内の神社では、東京都神社庁が独自に作成した賛同署名用紙が使われており、9条にふれないなど元になった右翼改憲派団体の署名用紙とは違う内容であることが9日までに、明らかになりました。(竹腰将弘)


写真

(写真)神社境内に置かれた署名用紙=東京都内

 署名運動は日本会議などでつくる「美しい日本の憲法をつくる国民の会」(共同代表・ジャーナリストの櫻井よしこ氏ら)が全国的に1000万人を目標にすすめているものです。

タカ派色薄める

 「会」の署名用紙は「私は憲法改正に賛成します」と趣旨を明確にのべていますが、東京都神社庁版は「憲法の内容を見直しましょう」というあいまいなものに変えています。

 改憲の内容について「会」版は、▽前文に伝統・文化を盛り込む▽天皇元首化▽9条2項に自衛隊の規定▽「家族」条項の新設▽緊急事態対処規定の新設▽96条の改憲要件緩和―など、ほぼ自民党改憲草案そのままの反動的・復古的な項目を具体的にあげています。

 ところが東京都神社庁版は「憲法の良い所は守り、相応(ふさわ)しくなくなった所は改め、憲法の前文に日本らしさを表現し、美しい国土を守り、家族が心豊かに生活できる社会をつくりましょう」という一般的な文言のみに書き改められています。

 結果として、神社で、初めてこの署名用紙をながめた参拝客は、右翼改憲派がすすめている憲法9条破壊を中心にした改憲運動だとは思わず、署名をさせられる可能性が高くなります。

国民投票用名簿

 さらに問題なのは、この署名は、衆参両院で改憲派が3分の2を確保し、国会が改憲を発議した後に行われる国民投票時の名簿として使われることです。「会」の署名用紙には「国民投票の際、賛成投票へのご賛同の呼びかけをさせていただくことがあります」と記載されています。

 そのために、署名用紙としてはめずらしい電話番号の記入欄が、一人ひとりにつけられています。

 初詣に訪れた参拝客から署名を集め、それを将来の国民投票時の運動用の名簿にするとは、公正さに欠ける行為です。


 東京都神社庁総務部の話 神社本庁からいわれてやっていることだ。署名の目的はいっしょだから問題はない。署名する人がどう感じるかはその人の勝手だ。

写真

(写真)「美しい日本の憲法をつくる国民の会」の署名用紙(上)と東京都 神社庁作成の署名用紙(右)


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