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2016年1月10日(日)

米1525団体「TPP反対を」

上下両院議員に連名書簡

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 【ワシントン=島田峰隆】米国の労働組合や消費者団体など1525団体は7日、環太平洋連携協定(TPP)を審査している上下両院議員に宛てて連名の書簡を送り、同協定に反対するよう求めました。

 書簡は、環境、労働、宗教、家族農業、消費者など国内の多彩な団体でつくる連合体「シチズンズ・トレード・キャンペーン」(CTC)がまとめました。同連合体は、多国籍企業ではなく国民大多数の利益になる公正な貿易を目指しています。

 書簡は、TPPの問題点として▽米国内の雇用を海外に流出させ、賃金を下げる▽環境保護の規制を弱める▽食料品の安全性を危険にさらす▽命を救う医薬品を利用できなくする▽投資家の権利を人権や民主主義の上に置く―の五つを挙げました。

 多国籍企業が政府を相手に賠償請求の訴訟を起こせる投資家対国家紛争解決(ISDS)条項について、外国企業が米政府や州、自治体の決定に異議を唱え、納税者に無制限の賠償を求めることができる仕組みだと指摘。日本やオーストラリアをはじめ「米国内に9200を超える子会社を持つ1000以上の企業が新たに米政府を訴えることができる」と懸念を表明しました。

 環境保護については、TPPが「情報と経験の交流」などしか求めておらず、投資や貿易を優先して環境に関する国際条約に違反する行為が広がる危険性があるとしています。

 また新薬のデータ保護期間によって安価な後発医薬品の市販が遅れることを批判。製薬会社が高齢者・障害者向け公的医療保険(メディケア)や低所得者向け医療扶助(メディケイド)でカバーされる医薬品リストの決定にいっそう影響力を及ぼす可能性があることにも懸念を示しました。

 CTCのアーサー・スタムリス事務局長は7日、書簡発表にあたり「TPPをなくすために前例のない団結した運動が起きている」と強調しました。


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