2016年1月9日(土)
ベルギーで国鉄スト
労組 雇用削減策に抗議
【パリ=島崎桂】ベルギー国鉄(SNCB)の労働者は5日夜から7日にかけて、同国政府が計画する雇用削減などのリストラ策に抗議するストライキを実施しました。
ベルギー政府は昨年7月、SNCBが抱える約40億ユーロ(約5100億円)の債務削減に向けたリストラ策を発表。定年退職者に代わる新規採用の削減などを検討しています。
労組側はその後、リストラ策の見直しを求めて政府と交渉を開始しましたが、協議は難航。一切の変更を認めない政府の強硬姿勢を受け、公共サービス組合総連合(CGSP)とキリスト教系労組が今回のスト実施を決めました。
CGSPのジョバンニ・イトリ書記長は政府案の実施により、約3万3000人の国鉄職員のうち7000人分の雇用が失われると指摘。「この条件で現在の運行頻度や車内衛生を保つことは不可能だ」として、2月初頭にも新たに72時間ストを実施すると表明しました。
ストの影響により、6日にはベルギーとフランス、ドイツ、オランダを結ぶ国際線(タリス)全線が停止しました。国内線では、南部ワロン地域(フランス語圏)でほぼ全ての運行が停止する一方、北部フラマン地域(オランダ語圏)では運行率約70%を維持するなど、地域間でのスト参加率の違いが明確となりました。