2016年1月8日(金)
日航CCU 実った客室乗務員の正社員化
今年は解雇のベテラン復職を
日本航空キャビンクルーユニオン(CCU)は、客室乗務員の全員正社員化という20年来のたたかいを実らせて年明けを迎えました。マタニティーハラスメントを是正する取り組みも、裁判を起こし、職場で前進が生まれています。今年こそは解雇されたベテラン労働者を復職させ、空の安全を守り、女性が働き続けられる職場をつくろうと決意に燃えています。 (田代正則)
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4月から、日航は、客室乗務職の契約社員制度を廃止し、採用者を正社員として雇用します。在籍する契約制客室乗務員(約1100人)も正社員になります。
昨年12月15日、午後4時の報道発表を前に、会社担当者がCCU事務所に正社員化の提案文書を持ってきました。組合掲示板に、さっそく「正社員化決定!」とニュースを張り出しました。契約制客室乗務員からは「私もすぐ正社員になれるんでしょうか」と問い合わせが相次ぎました。
CCUは、航空各社が1994年に、3年で雇い止めにする契約社員制度を提案したときから、航空会社の枠を超えて連携する客室乗務員連絡会とともに、空の安全と女性が働き続けられる職場を守るために運動を起こしました。このたたかいで、契約社員を3年で正社員に転換する制度に変えました。
2013年に全日空が全員正社員化を決断し、このたび、日航でも実現しました。
現在在籍している客室乗務員は、8割が採用時に契約社員でした。3年間働いて、正社員になることで、やっと正式な入社式が行われます。契約社員時代の3年は、勤続年数から除外されます。
空の安全を守る重要な役割を果たしながら、“正社員になるまでは本当の社員ではない”と言わんばかりの扱い。雇用不安を感じながら、仕事をしなければなりませんでした。
上司からパワハラによる退職強要と雇い止めも行われ、CCUに加入した契約社員が起こした裁判で、2012年に東京高裁で日航のパワハラが認定されました。
正社員になっても初任給から再スタートとなるなど、契約社員制度が処遇を押し下げていました。日航の客室乗務員の平均年収は10年間で250万円下がり、400万円台になりました。
CCUには、これらの職場環境改善にも期待が寄せられています。