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2016年1月7日(木)

北朝鮮の核開発開始は50年代から

平和に逆行、実験重ねる

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 北朝鮮は6日、「水爆実験」実施を発表しました。

 北朝鮮は1950年代から旧ソ連の支援を受け、核開発を開始しました。86年には寧辺(ニョンビョン)で5000キロワットの原子炉の稼働を始めました。米朝枠組み合意(94年)で核開発凍結に合意するまでに、核兵器の原料となるプルトニウムの抽出に成功したとされています。

 2003年に、米国の対北朝鮮敵視政策を理由に核不拡散条約(NPT)体制からの離脱を表明。05年に核保有を公式に宣言しました。06年10月に北部の咸鏡北道(ハムギョンブクト)で初の核実験を実施。使ったのはプルトニウム型原爆とみられ、爆発規模は1キロトン未満とされました。その後、09年、13年にも核実験を行い、爆発規模も数キロトンに拡大してきました。

 同時に、核弾頭の小型化や核兵器の運搬手段である弾道ミサイルの開発も進めており、米国も脅威認識を強めています。

 水爆(水素爆弾)は、原爆を起爆装置として用い、核分裂反応で生じる超高温と超高圧、放射線を利用し、重水素(水素の同位体)や三重水素(同)の核融合反応を起こし、莫大(ばくだい)なエネルギーを放出させるものです。そのエネルギーは原爆をはるかに上回ります。

 米国は、広島・長崎への原爆投下から7年後の52年、最初の水爆実験を強行。54年3月には、ビキニ環礁で第五福竜丸が米国の水爆実験で被ばくしました。

 ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)によると、北朝鮮は15年1月時点で6〜8発の核弾頭を保有しています。

 北朝鮮の核・弾道ミサイルの能力については、さまざまな見方が存在しています。今回の「水爆実験成功」との発表についても、観測された揺れが前回より小さいことから、疑問視する声も出ています。

 ただ、核の能力向上を目指しているのは間違いありません。地域や世界の平和と安定に逆行する重大な動きであり、ただちに中止すべきです。

 (山田英明)


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