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2016年1月3日(日)

2016内政展望

暴走止め、くらし優先の政治に

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 2016年は、安倍政権発足から3年がたち、暴走と行き詰まりが深刻になるなか、「戦争法廃止の国民連合政府」をめざすたたかいと結んで、大企業優先から国民生活優先の政治へ転換するたたかいの年を迎えました。(深山直人)


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(写真)「いのちまもれ」とコールする医療労働者(下)=2015年10月22日=と、営利企業の医療関連サービス見本市(中)=同12月15日。上端は安倍首相

アベノミクス破たん

 安倍首相は就任後初めての通常国会での施政方針演説(2013年)で「世界で一番、企業が活動しやすい国」をつくると宣言。“大企業がもうかれば、やがて国民にも回ってくる”という“トリクルダウン”(おこぼれ経済学)にたって「アベノミクス」の名で大企業優先の政治を推進してきました。

 大企業は2年連続で史上最高益を更新。株価上昇で資産家にばく大な利益をもたらしました。大企業の利益は内部留保としてため込まれるだけで、国民・労働者に還元されていません。雇用が増えたといっても、非正規雇用が178万人増えただけで、正規雇用は56万人も減っています。

 さらに安倍政権は大企業に法人税減税をばらまく一方、「正社員ゼロ」をつくる労働者派遣法改悪に続いて、「残業代ゼロ制度」を導入し、「賃下げ」政策を進めようとしています。これでは貧困と格差は広がるばかりで、消費は冷え込み、景気回復に逆行です。

 大企業の内部留保を還元し、“人間らしく働けるルール”をつくって賃上げと安定した雇用を生み出すとともに、環太平洋連携協定(TPP)からの脱退、農林水産業や中小企業の振興による内需拡大、地域経済の再生こそ必要です。

小泉政権上回る攻撃

 社会保障について安倍政権は「自立・自助」を前面に、かつての小泉政権を上回る攻撃を加えています。

 旧小泉政権は、社会保障予算について毎年2200億円削減し、「医療崩壊」を招きました。

 安倍政権は、高齢化などに伴う社会保障の自然増を3年連続で5千億円に抑制し、3千億円から5千億円近い削減を行いました。2016年度も5千億円に抑え込みます。

 7月の参院選後、「窓口負担の引き上げ」「要介護1・2の保険外し」など、医療、介護、年金をはじめ社会保障の全面的改悪をねらっています。参院選で厳しい審判を下すことが重要になっています。

 社会保障攻撃のもう一つの特徴は、医療の営利化・産業化の推進にあります。社会保障サービスを縮小して企業に担わせ、もうけ口を提供するねらいです。昨年12月には厚労省が初めて、企業を集めて医療関連サービスの見本市を開きました。

 営利化・産業化の推進で国民皆保険を掘り崩せば、お金のあるものだけが医療を受けられる前近代社会への逆戻りとなります。憲法25条に逆行する社会保障の変質・解体にほかなりません。

 政府・財界にとっての懸案は「少子高齢化」の克服です。安倍政権は「1億総活躍社会」の名で、若者や女性、高齢者、外国人労働者を安価な労働力として活用しようとしています。

 菅義偉官房長官の“子どもを産んで国家に貢献して”発言は、戦前の「産めよ増やせよ」と同じ「国家優先の発想」だと批判を浴びました。“国家のために一人残らず働け”という戦前の「国家総動員体制」をほうふつとさせる暴言です。社会保障の解体は「戦争する国づくり」と一体となっていることを浮き彫りにしました。

国民的な反撃広がる

 こうした安倍政権の暴走に対して、国民の共同した反撃があらゆる分野で広がっています。

 介護破壊を招いている昨年の介護報酬削減に続く診療報酬削減。自民党の支持基盤から反対の声が上がり、「(小泉政権の)社会保障関係費の機械的削減を想起させる。それが地域医療を崩壊させたことは共通の認識だ」(日本医師会中川俊男副会長)との声があがっています。

 労働者派遣法では、2度にわたって改悪案を廃案に追い込むなど、労働界や弁護士、学者、市民の共同で政府・与党を土俵際まで追い詰めました。

 戦争法反対のたたかでSEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動)の合言葉となった「民主主義って何だ? これだ!」が示すように、選挙で選ぶだけが民主主義ではなく、選ばれた代表者が主権者の願いとかけ離れた暴走を始めたとき、それを食い止めるために立ち上がるのも民主主義だということを、国民一人ひとりが自覚し立ち上がったものでした。

 かつてなく広がった共同をさらに広げて、安倍政権を追い詰め・打倒し、国民の願いで動く新しい政府をつくるたたかいを広げていくときです。


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