2016年1月3日(日)
戦争法廃止、暴走ストップ・政治転換チームワークで8人全員勝利めざす
山下書記局長・参院選比例8氏 にぎやか座談会
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山下芳生書記局長 あけましておめでとうございます。今年はいよいよ参議院選挙の年です。「日本共産党の躍進で戦争法廃止の国民連合政府の実現を」「あらゆる分野で、国民の願いを踏みにじる安倍暴走政治にストップ、政治転換の願いは日本共産党へ」―日本共産党はこう訴えて比例代表で850万票、得票率15%以上で8人以上の当選と、選挙区でも2人区以上は必勝を目指してがんばります。今日はその先頭に立つ比例予定候補8人のみなさんにお集まりいただきました。
8予定候補 あけましておめでとうございます。
多彩な願いとドラマが
山下 まず、自己紹介と比例予定候補になった経緯や思いについて語ってください。
原発事故被災地から共産党議員が必要
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いわぶち友 原発事故被災地の福島県出身の39歳です。今回、比例予定候補にならないかとのお話があったとき、原発被災地の福島県から日本共産党の国会議員を出したいと言われました。私自身が、震災、原発事故のあとずっと福島のなかに党の国会議員がほしいと思っていたので、ぜひ挑戦したいと思いました。
県内の10ある原発の全基廃炉は、県議会をはじめとしてすべての自治体で決議があがっていて、党派を超えたオール福島の願いです。それが国の段階になったらどうかというと、安倍政権は原発再稼働で進めているわけですよね。
昨年3月に、“原発ゼロ”も含めた福島の署名を42万集めたものを国会に持って行ったら、福島県選出の国会議員は誰も紹介議員にならなかったんです。
山下 全員がダメだった?
いわぶち そうです。だからやはり福島の声を国政の場に届けるためには日本共産党の国会議員が必要だなということを改めて思いました。同時に比例予定候補になって北海道・東北を回っていますが、原発再稼働や放射性廃棄物処分場に対する反対のたたかいがおおきく広がっています。また、TPP(環太平洋連携協定)に反対する運動が盛り上がっています。そういうみなさんの思いも国会にぜひ届けたいと考えています。
「お手伝いさせてください」が出発点
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おくだ智子 私は共産党との出会いを話します。ある日、共産党の宣伝カーとすれ違って軽く会釈をしたら、「ご声援ありがとうございます」と言われて、「かっこいい。これだ!」と思ったんです。電話帳で事務所の番号を調べ、電話をかけて「都議選があると聞きました。ぜひお手伝いさせてください」と売り込んだんです。いざ共産党の宣伝カーに乗ったら、すごいと思った、政策もきちんと言って。その後、共産党に入って、翌年に私が住んでる埼玉県鳩ケ谷市(現川口市)の市議選があって、宣伝カーに出会ってからちょうど2年目の29歳のときに市議会議員になりました。
今も、どこかに私みたいな、共産党に近づいてくれる人がいるかもしれないから、宣伝カーに乗るときもきちんとしようと思っています。その後、市の合併で市議を失職し、県議を経て、一昨年の総選挙に出ました。
大門みきし 応援に行ったらおくださんすごかった。「勝つぞ」オーラが出まくっていた。
おくだ 絶対勝ちに行くと思っていた。参院選も全力でがんばります。
頭をよぎるのは 若い人たちの思い
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椎葉かずゆき 今回、比例予定候補のお話をいただいたときに、頭をよぎったのは出会ってきた若者の顔や思いです。リーマン・ショック、派遣切りの問題が起こった時に、日雇い労働実態調査をやり、早朝に駅の近くで行列をつくっている人たちに声をかけました。半年以上にわたって駅に通いました。
私自身、怒り心頭になったときがありました。駅でうなだれている40代ぐらいの女性がいて、声をかけたら子育て中のお母さんだった。前日の夜10時ごろ「明日の朝6時に駅に来てくれ」といわれ、子どもに朝ご飯をつくり、がんばって駅にきたら、「人手が足りてるから帰っていい」と言われた。驚いて、「交通費は出るんですか」と聞くと、「働かなければ出ません」と、途方に暮れていた。
学費や奨学金、ブラック企業の問題が密接に結びつき、高校生、学生、若者たちが苦しめられている。これをなんとかしなくてはという思いがあります。
山下 みんなそれぞれドラマと熱い思いがあるね。
子どもの問題も政治だと気づく
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たけだ良介 私は長野県の出身です。党に出会ったのは1999年、信州大学の教育学部に入学した年です。キャンパスに「30人学級を実現しよう」という看板がたっていて、「おっ、まともなことを言っている人たちがいる」と思った。あのときは学級崩壊とか、子どもが荒れるとかいわれて、世の中のゆがみがそうなっている、社会的な問題だとは思っても、政治的な面は当時、分からなかった。
教育実習の経験で、子どもたちの状況は教壇に立つと分かるんですよね。学力的に大変そうだとか、子どもの貧困、経済的な問題とかがみえて、そういう子どもたちが生まれる背景には政治的なものがあると分かった。そこが根本で、そこが変わらなかったら最終的に救えないと思った。
国民と国会の乖離埋めたい
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春名なおあき フレッシュなみなさんのあとで、ちょっと何なんですが…(一同笑い)。国政挑戦10回目(「すごい」、拍手)。山下さんと同い年で、党の第2の躍進の時に、衆院議員にしていただきました。2期7年間の国会で、憲法調査会に所属をして64回ほど論戦に立ちました。国民のほとんどが「9条を守って大事にしてほしい」と考えているのにそこで改憲キャンペーンが嵐のようにやられたんです。国民の思いと国会の姿に乖離(かいり)があって、これを埋めたいなというのが私の思いでした。それと、四国に共産党の国会議員がいないことの悔しさも感じてきました。ですから、今度引き受けたときにはやはり国民と国会の懸け橋になって、当たり前の声を国会に届けたい、多数の声がきちっと届きそれが政策になっていく政治をつくるための一員になれたらいいなという強い思いです。
人生の壁にぶつかり
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いせだ良子 いせだです。41歳です。生まれも育ちも福岡県福岡市です。3歳と6歳の子どもを育てています。若いときは政治とか社会のことにあまり関心がなくて、お笑い番組が好きでテレビばかりみてるような子だったんです。初めて人生の壁にぶつかったのが就職難でした。履歴書を50通ぐらい書いたけど、面接までいったのが2社。そこでも「うちはもう男子学生しか採らない」って言われました。これから私どうしていったらいいのか、自分って何なんだろうと考えました。
そのときに、たまたま学内にあった民青同盟の先輩に声をかけられて、いろいろと話を聞いてくれて、「たとえ良子ちゃんが仕事が決まって就職できたとしても、決まらない子がたくさん生まれるような社会の現状があるんだ」といわれました。
それまで自分のことしか考えてなかった私でしたが、初めて自分がぶつかった問題と政治や社会の問題が結びついたのです。ちょうど東京で、就職難に泣き寝入りしない女子学生の会っていうのができて、リクルートスーツ着てパレードしたり、朝まで生テレビとかで激論して、福岡でもやろうじゃないかとなり運動を始めました。アンケートを500通ぐらい集めて、声を聞いていくことがすごく大事だ、悩んでるのは自分だけじゃないんだってことが分かりました。
抜群の働き、躍進すればすごい力に
山下 現職のお二人に、国会活動などを振り返って語ってもらいます。
国民の声、政府にぶつけ続けた
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田村智子 私が5年半前に初当選したときは、当選は市田さん(忠義副委員長)と大門さんと私の3人だけで、複雑な気持ちでいたら、市田さんから「あなたは久しぶりの新人。あなたが当選したことが、共産党に未来が感じられる」と言われ、とにかく、元気良くやるしかないと覚悟を決めました。国民の声を直接政府にぶつけて首相や大臣の認識をただす、これは国会議員にしかできないこと。すごく重みを感じました。だから質問は逃げない、忙しくても逃げない、とにかく議事録に当事者の声を残さなきゃという思いでやってきました。
この5年半は、ある意味「一点共闘」を模索しながら発展させた5年半ですよね。当選して8カ月後に東日本大震災が起き、原発事故が起きて、官邸前の行動は、春に始まったんですが、議員で一番に駆けつけた一人が私でした。だんだんその運動が広がって、共産党の議員だけじゃなくていろんな党の議員も来るようになった。立場の違いはあっても要求で一致したら一緒に政治を動かす「一点共闘」のすごさを感じてきましたね。
3年前の躍進は通過点
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大門みきし 3年前の参院選で6人から11人に躍進したけど、僕にとっては通過点だと思う。今度の選挙で必ず比例の全員は当選するし、もちろん僕も通るつもりです。手前みそだけど、共産党の議員は、他党からも尊敬されているんですよ。筋が通っている、勉強している、良識がある。ほかの党の議員の3倍くらい働いているし力がある。その数が倍になったらすごいことだ。
僕が当選したのが2001年1月で、小泉内閣が発足したのが2001年4月。竹中・小泉路線が始まった。あそこから、いまのような新自由主義、なんでも規制緩和、自己責任、強いものが勝ってなにが悪いという路線になった。安倍政権も、そういうところを引き継いでいるところがあるし、基本的には新自由主義的な路線できている。ただ、この前の国会でそれがガラッと変わってきたのではないかと思う。「戦争する国」に向けた経済体制に、いままでも準備していたけど、入っていくことになると。僕は経済論戦をやっていたけど、違う段階に入ってきたと思う。目に見えない徴兵制、学費が払えない若者が軍隊に入る経済的徴兵制というか、そういう流れが絶対強まる。
税・財政では、アメリカの期待にこたえ必ず軍事費を捻出するようになる。方法は一つで、消費税を増税して社会保障を削って、教育も含めて国民予算を削る。いままで消費税反対闘争、社会保障改悪反対闘争、雇用問題が分野ごとにあったけれども、一体で見なければいけないようになってきて、その結び目が戦争法となる。これをつぶさない限り絶対そこに向かう。国会での役割というか、ものの見方も、そういうふうに変わってきているのではないかと思う。
山下 みんなの話をきくと(この8人は)いいチームだとつくづく思う。これまでの活動のなかでいろんな要求を胸に刻んできている。さらに躍進して、みんな国会に来ていただいて、議員になって成長して、国民とともに新しい政治をつくる仕事ができる。8人はそういう人たちだということが分かりました。
さまざまな変化、党への期待高まる
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山下 予定候補者として回ってみて共産党への期待をどう感じているでしょうか。
今までない層の人たちが参加
椎葉 12月に千葉県の松戸市で演説会がありました。子どもがたくさん会場に来ていて、子育て世代の方たちに多く参加していただいた。どちらかというと、これまで政治とは縁遠い、党と接点が無かった人たちに注目してもらっています。「演説会のチケット無くても参加していいですか」という人が三十数人いました。寄せられた感想の中には「志位さんの話が自分のイメージと同じでよかった」というものもあって、共産党への期待がすごく大きい。
被災地の躍進は地方選で終わらない
山下 この間の地方選で、東日本大震災の被災3県も躍進したよね。
いわぶち 宮城、福島の県議選では国民連合政府の提案が出た後の選挙だったので、共産党への注目がぐっと高まりました。宮城県議選では、今回初めて議席をとった大崎市に行ったのですが、前市議会議長やJAの元県中央会会長、元県町村会会長が「戦争法の廃止、TPP反対、これはオール大崎の声です」「この声を実現できる共産党を勝たせてください」と応援演説してくれました。
県議選だけにとどまらず、そのなかのお一人は、同じ宣伝カーのデッキの上に立って、「いわぶちさんは予定候補者なんだからもっと前に出て」と言ってくれました。県議選にとどまらず参院選でもがんばってほしいという期待を感じました。
山下 保守の人が、寝ても覚めても国民連合政府のことを考えているんだと言っているそうですが。
経験したことのない拍手受けた
田村 10月8日に東京の文京シビックホールで開かれた「総がかり行動」の集会で、「戦争法を廃止する新しい政府をつくろう。そのために野党共同を」とあいさつしたら、熱烈な拍手を受けました。自分の声が聞こえなくなるくらい、地鳴りのような拍手が鳴りやまない。私たちのよびかけが、国民の魂からの訴えにこたえるものなのだと全身で実感しました。
とまらない戦争法廃止運動の広がり
春名 すごい特徴だと思うのは、戦争法が強行成立された後からも運動が広がりつつあるということ。先日、愛媛の安保法制に反対するママの会と懇談してきたけど、ママの一人が「体の芯が震えるような不安と怒り」と語っていました。そのママが友達のママに国民連合政府の提案のビラを渡したら、その後、「強行されてこれからどうしたらよいのかと思っていたけど、希望がみえた。読んで涙が出てきた」と返事があったといいます。
保守的な方のなかにも期待が広がっているのも特徴です。鳥取県のある漁協に行ったとき、組合長さんに、TPPの話をした後に国民連合政府と戦争法についてお聞きしたら、「安倍『1強』が悪い。これを倒すためには日本共産党もがんばってほしいと思うし、野党が共闘して対等な力を絶対に持たないと日本は危ない方向になる」と返ってきました。
山下 日本共産党は、野党間の共闘に最後まで誠実に努力します。同時に、はっきりしているのは、日本共産党が躍進することが国民連合政府実現の一番の力になるということです。躍進して、子どもを戦争にやらなくてすむ道が一歩開けてきたなって思ってもらえる結果をつくりたい。
あらゆる分野で「安倍政権許さない」
山下 あと、ぜひ今度の選挙は、あらゆる分野での安倍政権の暴走ストップ、政治転換ということを訴えていきたいなと思います。こうした声も結構、有権者から出てくるんじゃないですか。
「軽減税率は負担増」知らせる
おくだ このあいだ私、地域の集いに呼ばれていろいろな話をしたら、消費税増税にともなう「軽減税率」について、現行の8%から下がると思っていた人がいて、負担は今から減るわけでなくて、結局、1世帯で5万円の負担増が4万円の負担増になるだけだよって説明したら、「勘違いしていました」ってことになったのです。「軽減税率」のまやかしをもっと国民に知らせないといけない。
原発ノーにむけた選挙に
春名 11月から12月にかけて、愛媛県の伊方原発の隣町である八幡浜市で、住民の声を聞かずに原発を再稼働することは許されないということを掲げて、住民投票条例をつくる直接請求運動が行われました。3万数千人の人口で、1万1千人以上の署名が集まりました。取り組んだ人たちに話を聞いてみると、あれだけの大事故が福島で起こっているのに、自分たちの意思は一切聞かれず勝手に再稼働されようとしているのは許せないという思いをみんなが持っている。再稼働に肯定的な人でも、住民投票は必要と言って署名に応じる方もいたそうです。
再稼働反対、原発ゼロに向かう流れをつくる。その点でも、参院選はとても大事な選挙です。
TPP反対、あきらめずにたたかう
たけだ 長野県のJA中央会は、TPP加盟によって県でどれだけの損害があるか独自に調査して、地元紙(信濃毎日新聞)に一面広告を出しました。「私たちの生活に大きな影響を及ぼすTPPについて、もう一度考えてみませんか」「TPPから私たちの『食』と『いのち』と『くらし』を守ろう!」と書かれていました。JA長野は「たたかい続ける」と宣言して県民を励ましているんですよね。
いわぶち 北海道や東北でも、JAを中心に漁協とかも含めて、いろいろ懇談していくと、(安倍政権は)国会決議をぜんぜん守っていないとみんなすごく怒っているんですよ。机の上でいろいろ考えても地方のことは何も分かっていないから進められるんだって、みんなわんわん怒るんです。たたかい続けよう、TPPから撤退するために力を合わせようと呼びかけることが非常に重要だと思うんですよね。
学費値上げでも怒り心頭
椎葉 国立大学の学費が15年間で40万円上がる話があります。このあいだ、畑野(君枝衆院議員)さんといっしょに横浜国立大学の学長さんと会いました。静かに話すタイプの方ですが、怒ってるなっていうのは分かるんです。大学はがんばってやっているのに一方的に予算を減らす、あとは学生から取ればいいというのはどういう議論なのかと。この問題での大学関係者の怒りってすごく強いんですよね。
田村 国会では大学問題をまともに質問しているのは共産党くらいなんですよね。文部科学省からも質問してくださってありがとうございますと言われる。3年前の参院選挙で躍進して文教科学委員会にも委員をおけて、総選挙の躍進で衆院でも文部科学委員会で質問時間をきちんととって大学問題を取り上げた。それを学長さんたちも見ているんですよ。共産党はちゃんと質問してるなと。議席の力です。
勝つ方法はあきらめない
いせだ 沖縄でも激しい怒りがうずまいています。辺野古での新基地反対の座り込みの中でも、普通に「戦争法廃止」とか「安倍政治を終わらせよう」というのが当然のように出ていますし、連帯がそうやって巻き起こるようなたたかいになってきているのを感じます。テントの横に「勝つ方法はあきらめないこと」って書かれているように、みなさん本当にあきらめずにがんばっています。沖縄に連帯して参院選をたたかいぬきたい。
安倍政治を許さないで集結を
山下 最後に大門さん。
大門 「アベ政治を許さない」というスローガンはすばらしい言葉です。「アベ政治許さない」っていろんな分野があるんですね。貧困から社会保障からTPPすべてある。ものすごい数の人が怒ってるんですね。そのなかでも一番、政党も含めて一点で共闘できるのが「戦争法廃止」。参議院選挙はそれらを結集する。そういうことだと思いますね。
山下 いま、共産党を見る目が変わってきています。これまでの枠を超えた広い層からいっそう注目されていると自覚して、チームワークを発揮しながらがんばりましょう。安倍政権の暴走と対決するとともに、どの分野でも改革の展望を示せるのは日本共産党だ、怒りと不安を広げている人たちにここに共産党があるぞと伝わっていく流れをみんなでつくっていきたいと思います。今日はどうもありがとうございました。
一同 ありがとうございました。楽しかった。(拍手)
比例8予定候補
◇北海道、東北
いわぶち 友 39 新
党福島県常任委員
◇北関東
おくだ 智子 47 新
元埼玉県議
◇東京
田村 智子 50 現
参院議員1期
◇南関東
椎葉(しいば)かずゆき 39 新
党千葉県副委員長
◇東海、北陸信越
たけだ 良介 36 新
党長野県常任委員
◇近畿
大門(だいもん) みきし 59 現
参院議員3期
◇中国、四国
春名(はるな)なおあき 56 新
元衆院議員
◇九州・沖縄
いせだ 良子 41 新
党福岡県副委員長