2015年12月31日(木)
2015 職場のたたかい
本紙報道で振り返るこの1年
2015年、職場のたたかいを振り返ります。
|
大阪市「思想調査」は違憲 3月
1月
日本テレビ(東京) アルバイト歴を理由にアナウンサー採用の内定を取り消した訴訟は東京地裁で和解。大学生を内定者に戻す。
日本航空(大阪) 客室乗務員が解雇撤回を求めた訴訟で大阪地裁が解雇無効。賃金支払いを命じる。
横浜自動車学校(神奈川) 中央労働委員会の救済命令に従い、労働組合に不当労働行為をおこなわないとする誓約文書を交付。
国際自動車(東京) 東京地裁が残業代を除外する賃金規定は無効として、約1450万円の支払いを命令。
大阪市 水道局による労働協約の一方的な廃止は不当労働行為。大阪府労働委員会。
北海道 北海道労働委員会の労働者委員選任で知事による連合独占の委員任命は裁量権の範囲を逸脱。札幌地裁が判決。
2月
大阪市 入れ墨調査は市個人情報保護条例に違反。大阪地裁が回答を拒否した職員の戒告処分を取り消す判決。
京王電鉄バス(東京) 運転手が飲酒検査を苦に自殺したのは労災。東京地裁が判決。
愛知県豊橋市 元中学校教員が脳内出血で倒れたのは長時間労働によると、公務災害を認めた高裁判決が確定。
3月
|
アンシス・ジャパン(東京) 請求認諾により原告の元技術職員に不払い残業代など約424万円を支払う。
じん肺根絶訴訟(愛媛) ゼネコン50社に慰謝料を求めた訴訟で和解を拒否した清水建設に松山地裁が和解相当額の慰謝料支払いを命じる。
東京海上日動(東京) 札幌地裁が男性社員の降格・降級処分取り消す。賃金差額分の支払いを命令。
大阪市 橋下徹市長(当時)による「思想調査アンケート」について大阪地裁が一部を違憲と断定。約35万円の賠償を命じる。
トミテック(東京) 足立区立図書館の指定管理者として副館長を雇い止めにしたのは不当。東京地裁が未払い賃金の支払い命じる。
JR西(兵庫) 男性社員の自殺は安全配慮義務違反。大阪地裁が損害賠償約1億円の支払い命じる。
経営者らのマタハラで慰謝料 4月
4月
日本赤十字(神奈川) 解雇された派遣労働者が地位確認を求めた裁判は、東京高裁で和解成立。派遣元・派遣先の双方から解決金支払い。
高見沢電機(長野) 工場閉鎖・リストラと16年間たたかった争議が全面解決。賃金補償や解決金支払いを勝ち取る。
医療法人恵和会(札幌市) 札幌地裁が原告女性の訴えを認めて経営者や上司のセクハラ、マタハラに対して慰謝料の支払いを命じる。
正智深谷高校(埼玉) 「偽装請負」で働かされていた非常勤講師が直接雇用を求める団体交渉を学校が拒否した問題で、埼玉県労働委員会が救済命令。
ファミリーマート(東京) 加盟店主らでつくる労組との団体交渉を拒否した問題で東京都労働委員会が不当労働行為と認定。
大和証券(東京) グループ会社(大阪)への転籍後退職を迫る「追い出し部屋」で勤務させられた問題で、大阪地裁が両社に150万円を支払うよう命じる。
キヤノン電子(埼玉) 労組職員が会社と労組に退職強要された問題で、東京高裁が会社と労組の共同不法行為を一部認め、慰謝料と一時金の減額分支払いを命じる。
ペンテェアバルブアンドコントロールジャパン(埼玉) 工場閉鎖に伴う組合役員の解雇は不当労働行為。埼玉県労働委員会が書記長の復職を命令。
5月
ブルームバーグ(東京) 男性記者が解雇され、解雇の撤回を争った裁判で東京地裁が解雇無効。賃金の遅延損害金167万円の支払い命じる。
東京都 東京高裁が「君が代」斉唱時の不起立で停職処分を受けた元教員らの処分は違法と認定。
ルネサスエレクトロニクス(東京) 早期退職を拒否した女性2人の遠隔地配転を撤回。元の勤務先に戻す。
東京都 「君が代」斉唱時の不起立による再雇用拒否で東京地裁が都に賠償を命令。
|
6月
日本航空(東京) 解雇を強行する過程で解雇回避を求める労組活動を妨害した事件で東京高裁が会社の不当労働行為を認定。
シナノ出版印刷(長野) 事業所閉鎖で労働組合員に転勤か退職を迫った問題で、長野地裁が配転命令を無効とした仮処分に対する会社側異議申し立てを退ける。
スズキ自販北陸(金沢市) うつ病で自殺した男性社員について労働保険審査会が労働基準監督署の判断を覆し労災を認定。
日産常盤(徳島) 中国人実習生の未払い賃金について、時効分を除く未払い賃金全額を支払うことで合意。
|
石綿被害、国が損害賠償 7月
7月
石綿紡織工場(大阪府) 中皮腫(ちゅうひしゅ)で死亡した男性の妻が国に損害賠償を求めた裁判が大阪地裁で和解。国が1430万円を支払う。
大阪府泉佐野市 市職員組合費の給与からの控除(チェック・オフ)中止は不当労働行為。大阪府労働委員会が再開命じる。
日本IBM(東京) 「ロックアウト解雇」強行の際、労組との団体交渉を拒否したのは不当労働行為。中央労働委員会が認定。
退職強要によるうつ病は労災 10月
8月
民事法務協会(東京) 再雇用職員の労働条件にかかわる団体交渉での対応は不当労働行為。東京都労働委員会が救済命令。
9月
光通信(東京) 大阪高裁が男性社員の死亡を労災認定した2月の一審判決を支持し、国の控訴を棄却。
10月
秋田書店(東京) 違法行為を告発した女性編集者が懲戒解雇され懲戒解雇撤回や慰謝料を求めた裁判。東京地裁で勝利和解。
中国新聞システム開発(広島市) 男性社員が国を相手に休業補償不支給処分の取り消しを求めた訴訟で、広島高裁が処分取り消し判決。
都留文科大学(山梨) 一方的な退職金切り下げに対する減額分の支払いを求めた訴訟で、東京高裁が減額分全額約450万円の支払いを命令。
NTT西(大分) 「50歳定年制」を強要され男性がうつ病を発症したのは労災。大分地裁が不支給処分を取り消す。
NHK(東京) 受信料収納などに従事する組合地域スタッフの組合との団体交渉にかかわって東京都労働委員会が不当労働行為と認定し、救済命令。
大阪市 市教職員組合が教育研究集会での小学校使用を不許可とされた問題で大阪高裁が不許可処分は違法と判決。
公立米内沢病院(秋田) 職員が分限免職(解雇)の無効を争った裁判で仙台高裁が北秋田市に損害賠償の支払いを命令。
東京電力(宮城) 元請けなどの一方的賃下げと解雇、危険手当不払いは不当として作業員2人が権利回復を求めた訴訟は仙台地裁で和解成立。1人あたり350万円の支払いを勝ち取る。
三菱重工業下関造船所(山口) じん肺になったとして下請けなどの元従業員と遺族が損害賠償を求めた裁判で最高裁が会社側上告を退ける。約8000万円の賠償を命じた広島高裁判決が確定。
|
11月
早稲田大学(東京) 非常勤講師を5年で雇い止めにする方針を撤回。首都圏大学非常勤講師組合・早稲田ユニオンと和解協定。
日本郵便(東京) 定年再雇用を拒否された労働者が解雇撤回と職場復帰を求めた裁判で、東京高裁が労働者としての地位を認める。
さいたま市 男性職員の自殺はパワハラが原因。さいたま地裁が市の安全配慮義務違反を認め約1300万円の賠償を命令。
神奈川フィルハーモニー管弦楽団(神奈川) 解雇された団員2人が解雇撤回を求めた裁判で横浜地裁が解雇無効を判決。
日本IBM(東京) 一方的に賃金減額し労働者が差額分の支払いを求めた裁判で、同社が原告の請求を全面的に認める請求認諾。
社会福祉法人ハートフル記念会(神奈川) 不当労働行為を認めた中央労働委員会の救済命令について、同法人が取り消しを求めた裁判で東京地裁が訴えを棄却。
広島市 病院勤務の女性が妊娠を理由に降格されたのは違法。広島高裁が判決。約175万円の支払いを命じる。
大阪市 橋下徹市長(当時)が市役所労組の市役所内組合事務所の退去通知をした問題で、中央労働委員会が不当労働行為と断罪。
裁量労働制の運用で文書指導 12月
12月
|
ワタミ(神奈川) 過労自殺した女性社員の遺族が損害賠償を求めた裁判が東京地裁で和解。創業者の渡辺美樹氏らが法的責任を認めて謝罪。約1億3000万円を支払う。
日立超LSIシステムズ(東京) パソナに出張させて自ら出向先を探させていた「追い出し部屋」を撤廃。
日本IBM(東京) うつ病は退職強要の面談が原因。男性社員の労災を認定。
東京都 「君が代」第3次訴訟で東京高裁が減給・停職処分を取り消した1月の一審判決を維持。都教委の控訴を退け、処分の違法性を再度認める。
東京都 「君が代」斉唱時の不起立で再雇用拒否は違法。東京高裁が賠償命じる。
日本航空(東京) 客室乗務員の契約社員制度を廃止し、来年4月から正社員として雇用すると発表。20年来の組合要求実る。
大阪市 橋下徹市長(当時)による「思想調査」アンケートは違法。大阪高裁が1月の一審判決に続いて判断。
ソニー(宮城) 裁量労働制の運用が「労働基準法違反の疑いが濃厚」として、仙台労働基準監督署が是正を求めて文書指導。
曙ブレーキ(埼玉) 肺がんなどを発症したのはアスベスト(石綿)が原因として、元従業員人と遺族が損害賠償を求めた裁判は、さいたま地裁で和解。