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2015年12月30日(水)

きょうの潮流

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 「もし自分が同じ立場だったら怖くて話せなかったと思う」「会ったことはないけど、尊敬できる女性です」。今年8月、ソウルの広場に集まった日韓の学生が思いをはせたのは、24年前に声をあげた一人の女性でした▼初めて「慰安婦」だったと名乗り出た韓国人の金学順(キムハクスン)さん。当時、日本政府が「慰安婦」について「民間業者がやったこと」などと軍や政府の関与を認めなかったことに対し、「歴史の証人」として自ら立ち上がったのです▼金さんが実名を公表して記者会見したのは1991年8月14日。学生たちはその勇気をたたえ、国連の「日本軍『慰安婦』メモリアルデー」にしたいと活動しています▼金さんは同年12月、2人の被害者とともに日本政府に謝罪と賠償を求め提訴しました。翌年には支援団体とともに日本大使館前で毎週水曜にデモを開始。雨の日も、雪の日も、「人権と尊厳、名誉の回復」を求め続けてきました▼28日に行われた日韓外相会談での合意には「軍の関与」「責任」「心からおわび」の言葉が盛り込まれました。一方、被害者が日本政府に対し望んでいた真相究明や歴史教科書への記述の約束などはありません▼被害者の李容洙(イヨンス)さんは、会談の内容について記者団に問われ、「私はまだ解放されていません」と語りました。いま韓国で生存する被害者は46人、平均年齢は89・2歳です。日本政府が全面的解決にむけた行動のための時間はもう多くありません。被害者が名誉と尊厳を回復し、本当の解放を迎える日まで。


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