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2015年12月30日(水)

参院選後に「倍返し」社会保障削減計画ズラリ

安倍内閣

参院選で厳しい審判を

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 安倍内閣は、2016年度予算案や15年度補正予算案について「少子高齢化に正面から挑戦し、地方創生も本格的に展開していく」と売り込んでいます。しかし、国民の要求にはほど遠く、参院選後に「倍返し」で負担増と給付減を押し付けようとしています。


 16年度予算案と15年度補正予算案では、「低年金者への3万円の臨時給付金」「第2子以降の児童扶養手当の倍増」など給付の一部を増やしたり、「多子世帯・ひとり親世帯の保育料軽減」など負担軽減を盛り込みました。

 「希望出生率1・8」「介護離職ゼロ」を掲げ、保育と介護の受け皿を整備することも掲げています。参院選を意識して、“生活・社会保障支援”をアピールするねらいです。

 しかし、「3万円の臨時給付金」といっても、年金は毎年、削減されており、来年は物価上昇にもかかわらず改定率をゼロとします。その上、消費税10%が押し付けられることになれば、給付金など吹き飛んでしまいます。

 「児童扶養手当の倍増」といっても収入に応じて支給額を減らします。「多子世帯の保育料軽減」も地方自治体がすでに行っていることを後追いしただけです。

子育て給付金廃止

 一方で、子育て世帯への臨時特例給付金(14年度1万円、15年度3000円)は16年度から廃止します。

 「介護離職ゼロ」にするといいますが、追加する整備目標は10万人分で、特別養護老人ホームの待機者52万人にも及ばない目標です。

 重大なのは、「改革工程表に沿って社会保障制度改革を着実に実行する」としていることです。

 「改革工程表」とは、医療、介護、年金、生活保護など社会保障の全面的改悪を実行する段取りと日程を明記したもの。予算案発表と同時に開かれた経済財政諮問会議で25日、決定されました。参院選後に政府の審議会で議論を開始し、年内に結論を出して実行に移すことを明記しています。

医療崩壊に拍車

 医療では、「入院部屋代の引き上げ・対象拡大」「75歳以上の窓口負担を1割から2割に引き上げる」など負担増・給付減がズラリと並んでいます。いずれも「16年末までに結論」「17年度から推進」としています。「医療難民」といわれる医療崩壊の危機に拍車をかけるだけです。

 介護では、「要介護1・2の人を介護保険から外す」、「利用料を1割から2割へ引き上げ」と明記されています。年金では、「物価下落時にも年金を削減」することや、「支給開始年齢の引き上げ」を掲げ65歳以上に支給を遅らせることもねらっています。

 生活保護では、「就労しない受給者への保護費減額」など削減をさらに強めようとしています。

 社会保障の削減には、「(小泉政権時代の)社会保障関係費の機械的削減を想起させる」(日本医師会)と批判の声が上がっています。国民との深刻な矛盾は避けられません。参院選で厳しい審判を下すことが重要になっています。 (深山直人)

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