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2015年12月27日(日)

安倍政権復帰から3年

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自民党の歴史的退潮―柔軟性失うモノカラー

 立憲主義破壊の暴挙に自民党内からほとんど批判の声はあがらず抑制する力もない―。

 河野洋平氏(元自民党総裁)は、その理由として、自ら導入に関わった小選挙区制をあげ、「これが悪かったという気持ちを持ち続けている」と講演で語りました。

 同じ党から1人しか立候補できない小選挙区制の導入で、党所属の国会議員は選挙の公認権などを握る党執行部の意向に沿うことしかできなくなったのです。「派閥」にかつての力もありません。

 自民党関係者の一人は、「自分の考えを言わない政治家が増えている。昨年の消費増税見送り解散に反対した税調の有力議員も、公認取り消しで脅されて、結局屈服させられた」と述べます。

 最近でも「軽減税率」導入をめぐり安倍晋三首相と党内の意見が“対立”したとき、増税派で「軽減」に慎重だった谷垣禎一幹事長が首相の意向に「屈服」(自民党議員)しました。「幹事長もかつてのような強い権限はない。『自民1強』というより『官邸1強』だ」(自民党関係者)といいます。

 政治学者の北岡伸一氏は著書『自民党 政権党の38年』のなかで、自民党内における派閥間競争の中で優位に立つために「派閥指導者たちは、国民の期待の発見と実現に力を入れた」と指摘しています。「(その結果)緩やかに国民の期待を吸収し、…国民の倦怠(けんたい)が爆発しない程度の政権交代を党内で行って、長期政権を維持した」としています。

 派閥間競争の中で、政策に一定の幅を持っていたからこそ、自民党は「強かった」という見方です。

 小選挙区効果によって自民党が虚構の多数議席を占めるもと、国民の批判に耳を傾けず、侵略戦争への反省を投げ捨て、立憲主義・民主主義の基本原理まで破壊する「アベ政治」に対し、反対の声も出せず「モノカラー(単色)」に沈み込む自民党。「強い」どころか批判を吸収する柔軟さを失って、世論から孤立を深めていく危機的状況にあります。

全国に広がりつつある 「野党は共闘」への期待

 政治的に脆弱(ぜいじゃく)で自らの政治的墓穴を掘るかのように、安倍政権の暴走は「憲法守れ」の巨大な人間の鎖を生み出しました。

 戦争法強行から3カ月。20日には「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」(略称・市民連合)が結成されました。

 夏の市民運動の盛り上がりの中で「野党は共闘」という声が広がり、この声を受け止めて日本共産党が提案(9月19日)した、▽戦争法廃止の「国民連合政府」▽野党選挙協力の方針は、衝撃をもって受け止められ、波紋を広げました。

 「市民連合」は、安倍暴走ストップの政治的力を議会に打ち立てようと、来夏の参院選で32の1人区に野党共闘を求め、反対多数の世論を受け止める「受け皿」づくりを提起しました。

 23日には熊本で、弁護士の阿部広美さんが野党統一候補として出馬表明し、注目を集めています。戦争法反対の運動のリーダーの一人として地域で奮闘してきた阿部さん。県内50団体のネットワークを基礎に、日本共産党、民主党、維新の党、社民党、新社会党の野党5党が共闘体制を確認しました。

 こうした強力な市民運動を基礎とした野党共闘の動きは、さらに全国各地に広がりつつあります。これを「究極の談合」などとする与党幹部の攻撃が相次いでいますが、“恐れ”のあわれです。

 自民党関係者の一人は「自分たちの基盤がそれほど広くなく、野党が連合して有権者から受け皿として認められたら、意外に簡単にひっくり返る可能性があることを、執行部はわかっている。安倍政権の強さは民主党の弱さ、野党が連携できないことの裏返しだ」と述べます。

 (佐藤高志、中祖寅一、前野哲朗が担当しました)

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