2015年12月22日(火)
診療報酬 実質1.03%削減
社会保障自然増を5000億円に圧縮
厚労・財務相決定
塩崎恭久厚生労働相と麻生太郎財務相は21日、2016年度予算編成の焦点となっていた社会保障の自然増の削減について、財務省の要求通り、「5000億円程度」に圧縮することを決めました。医療サービスの公定価格である診療報酬を実質1・03%引き下げることなどによって抑制をはかります。
「医療崩壊を招く」として引き上げを求める医療関係者や国民の願いに背を向けるものです。毎年2200億円の削減を押し付け、「医療崩壊」を招いた小泉「構造改革」路線が復活した形です。
診療報酬は、医師などの技術料や人件費にあたる「本体部分」は0・49%のプラスにとどめる一方、医薬品や医療材料の「薬価部分」はマイナス1・33%とします。販売額が巨額にのぼる医薬品の価格を引き下げる仕組みの導入による影響を加えると、薬価は1・52%のマイナスとなります。
全体がマイナスとなるのは08年度以来8年ぶり。14年度の前回改定は、消費税増税への対応分を上乗せしており、実質的には2回連続の引き下げです。
マイナス改定などにより、医療費は国費ベースで約1400億円削減。中小企業の労働者が加入する「協会けんぽ」への国の補助金削減(約200億円)などを併せて社会保障の伸びは5000億円程度に抑え込まれます。
厚労省は、毎年1兆円程度とされる自然増を概算要求で6700億円に圧縮。財務省は5000億円まで削減を求めていました。