2015年12月17日(木)
夫婦別姓 世界で当たり前
原告ら“立法化あきらめない”
「とても悔しいけれど、ここからがスタートです」。選択的夫婦別姓を認めない民法規定を「合憲」とした16日の最高裁の判決に、原告らは強い落胆、怒り、悲しみをあらわにしながらも、新たな決意を語りました。
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判決後、原告らは国会内で記者会見と報告会を開催。原告団長の塚本協子さん(80)=富山市=は「涙があふれて止まらない。名前はどうしても譲れない。夫婦別姓は世界では当たり前です」と涙で声を詰まらせました。
原告・加山恵美さん(44)=東京都=は別姓を求める世論の広がりにふれ「初めての挑戦にしては良く頑張った。裁判は無駄ではなかった」。原告・小国香織さん(41)=東京都=は「私たちの願いを司法は聞き入れてくれなかった」と悔しさをにじませながらも「本来は政治の問題」として国会への期待を語りました。
弁護団長の榊原富士子弁護士は「とても残念な判決。裁判所の考えは時代とかけ離れている」と強く批判。同時に、裁判官15人中5人が民法規定を「違憲」としたことに注目し「最高裁が真っ向から違う意見をたたかわせている。これは世論の反映です。立法化に向けて動いていきたい」と話しました。
一方、最高裁は女性の再婚禁止期間の100日を超える部分を「憲法違反」と判断しました。原告代理人の作花(さっか)知志弁護士は「思い描いた判決に近く、うれしく受けとめている。国会はすみやかに再婚禁止期間を短縮してほしい」とのべました。
つらい思いの人出さない社会に
「再婚禁止期間訴訟」原告代理人の作花知志弁護士は16日、東京都内で記者会見し、原告の女性のコメントを発表しました。「100日超が憲法違反と認められ、うれしく感じています。新しいパートナーとの結婚が認められず、つらい思いをしました。私のように法律によってつらい思いをする人が今後は出ない社会にしてほしいと思っています。判決を受け、国会が一日も早く法改正をしてくれることを希望しています」