2015年12月16日(水)
政府・日航に3次勧告
ILO 職場復帰への協議
国際労働機関(ILO)が、日本政府と日本航空に対して、パイロットと客室乗務員の職場復帰に向けた協議を行うよう第3次勧告を行ったことが分かりました。日航乗員組合とキャビンクルーユニオン(CCU)、解雇撤回原告団(パイロット・山口宏弥団長、客室乗務員・内田妙子団長)が15日、厚生労働省で会見し、明らかにしました。
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労組と原告団が会見
ILOは、労働組合などから申し立てられた条約違反の事件について、解決するまで追加勧告を続けます。
日航は、解雇を有効とした東京高裁判決を確定させた最高裁決定を盾に、解雇を無効にして職場復帰させることは困難だ、と主張しています。しかしILO勧告は、会社に対して「当該労働組合との意義ある対話」を行い、自主解決するよう求めています。
ILO勧告は、解雇の過程で労働組合のストライキ権確立に向けた投票を妨害する会社の不当労働行為が東京高裁判決で認定されたこと、国会で塩崎恭久厚労相が「話し合いが行われるよう注視する」と発言していることに注目。日本政府に見解を求めています。
牛久保秀樹弁護士は経済的理由による整理解雇の場合は業績改善によって再雇用(職場復帰)させるというILOの国際労働基準があることを紹介し、「ILOはこの基準を前提に解決を求めてる」と指摘しました。
日航乗員組合の田二見真一委員長は「東京オリンピックで事業拡大しようにも人員が足りない」、CCUの古川麻子委員長は「いま職場は自主退職が起こり、3人に1人が新人です。不安全事例も出ている」と訴えました。両委員長とも「ベテランを職場に戻すため、組合として意義ある対話に尽力します」と強調しました。