2015年12月12日(土)
南京大虐殺 歴史の事実
参院委で田村智子議員 否定派学者の派遣 批判
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日本共産党の田村智子議員は11日の参院文科委員会で、南京大虐殺のユネスコ記憶遺産登録の審査で、日本政府が大虐殺否定派の学者を派遣していた問題をとりあげました。
田村氏は、南京大虐殺(1937年)について政府の立場を確認。外務省の石兼公博アジア大洋州局長は「非戦闘員の殺害や略奪行為等は否定できない」と大虐殺の事実を認め、「歴代政府は繰り返し痛切な反省と、心からのおわびを表明してきた」と述べました。
田村氏は、2006年に当時の安倍政権が始めた日中歴史共同研究でも、「日本軍による集団的、個別的な虐殺事件が発生し、強姦、略奪や放火も頻発した」との論文が防衛研究所の研究員らによってまとめられており、「日本の歴史学の共通認識になっている」と指摘。馳浩文科相も「これまでの政府見解と同様の立場だ」と答弁しました。
田村氏は、ユネスコに政府が派遣した高橋史朗明星大学教授は、侵略戦争を否定する新しい歴史教科書をつくる会の創設時からのメンバーで、「南京大虐殺は中国のプロパガンダ」だと主張していることを指摘。「日本政府は南京大虐殺に対する態度を変えたのか」と疑念を持たれかねないと批判。自民党内でも「間違いなくねつ造」などと公言する議員がいることをあげ、「歴史修正主義ときっぱりとたたかうべきだ」と強調しました。
馳文科相は自民党内のことに「言及することはない」と述べました。