2015年12月12日(土)
きょうの潮流
子どもの貧困を扱ったテレビでシングルマザーが語っていました。「ガスとか電気、最後に止まるのが水道。止まるのは日常的な感じだった。食べるものといっても、栄養を考えるとかではなくて空腹を満たす感じ」▼いま日本の子どもの6人に1人が貧困状態にあるといわれ、ひとり親世帯の貧困率は50%を超えています。国際的にみても深刻なチャイルドプア。子どもたちが空腹を満たすこともままならない背景には、格差と貧困をひろげる社会の仕組みがあります▼最近なじみの食堂が店を閉じました。高齢化と消費税の増税で、この先やっていけないと。アベノミクスの恩恵など何もない、そのうえ10%に引き上げられたら、と嘆きます▼与党内で大騒ぎしている「軽減税率」。公明党の主張を自民党がのまされたような格好ですが、くらしに直結する問題を選挙対策の手段にしようとする両党の醜い思惑が透けて見えます▼「負担感を軽減する」「家計を助ける」と手柄のように宣伝する公明党。しかし10%にして、なにが軽減か。それを言うなら消費税の増税を止めるのが最良なのは誰の目にも明らかです。空前の利益を上げている大企業から応分の税金をとり、日々の生活にも苦しむ国民の負担を減らす。それこそが「助け」になるはずです▼自分らしく生きる、働く、学ぶ。それを応援するという公明党。自分らしくの一番の壁になっている安倍政権の一員となって。そんなごまかしの二人三脚は、国民にとって弊害になるだけです。