2015年12月12日(土)
兵庫・西宮市議会 借り上げ住宅訴訟議案に“待った”
入居者要望反映 対話促す
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兵庫県西宮市議会建設常任委員会は11日、阪神・淡路大震災の被災者が入居する借り上げ復興住宅の明け渡しを求める提訴の議案を全会一致で継続審議としました。継続入居を切実に求める入居者の願いを反映したもので、強引に退去を進める市に対し、態度を改めて話し合いによる解決を、と求めました。
西宮市はURとの20年の契約期間満了を理由に、借り上げ住宅からの全員退去を迫っています。9月30日に20年をむかえたUR借り上げ市営住宅「シティハイツ西宮北口」の住民に対する住宅の明け渡しと損害賠償を求める「訴え提起」の議案を提出していました。
日本共産党の上田幸子、庄本建次両市議は、西宮市が契約期間満了時に退去するなどの事前通知をしていないことや、入居者は何も悪いことをしていないと答弁したことを指摘し、国の補助金活用を検討し和解するよう求めました。司法に判断を委ねるのでなく、「裁判の手続きを当面回避して、入居者と話し合い円満に解決すべき」だと主張しました。
住民団体と借上復興住宅弁護団は、提訴をやめるよう要求した署名を、今村岳司市長と大川原成彦市議会議長あてに提出していました。
傍聴した入居者の女性(77)は「ほっとできないが、よかったと思います。これからです。直接、市長と話し合いをさせてほしい」と語りました。