2015年12月9日(水)
核兵器禁止条約へ作業部会
国連総会決議 初の設置
【ワシントン=島田峰隆】国連総会(193カ国)は7日の本会議で、核兵器禁止条約を含む具体的な措置を議論する初めての作業部会を開くとした決議案を138カ国の賛成で採択しました。反対は米国など核保有5大国を含む12カ国、棄権は日本を含む34カ国でした。
「核兵器廃絶の多国間交渉の前進」と題する決議は、メキシコが主導しました。11月の第1委員会(軍縮・国際安全保障問題)での採択時と比べて賛成が3カ国増えました。核兵器の非人道性を告発し、核兵器禁止条約を求める声が世界の流れになっていることを改めて示しました。
決議は、核兵器のない世界の実現と維持のために「具体的で効果的な法的措置、法規定、規範を実質的に議論する作業部会を設置する」としています。作業部会は2016年にジュネーブで開き、国連総会の補助機関として総会に勧告と報告を行います。
国連総会は12年から毎年、核兵器廃絶の作業部会を設置する決議を採択しています。今回の決議は作業部会設置の目的として、核兵器禁止条約を意味する「法的措置」を初めて明記しました。
国連総会は同日、オーストリアが主導した「核兵器の禁止と廃絶のための人道の誓い」、南アフリカが提案した「核兵器のない世界への道徳的な責務」も賛成多数で採択しました。両決議とも核兵器を禁止する法的措置や交渉を求めています。
12年以降に繰り返し発表されてきた核兵器の非人道性についての共同声明に基づく決議「核兵器の人道的結果」も賛成多数で採択されました。