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2015年12月6日(日)

ミャンマー石炭火発増設計画

安倍政権が異常な介入

容量66倍化の策定まで

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 パリで開かれているCOP21では、温室効果ガスを大量に排出する石炭火力発電に厳しい視線が注がれています。世界の「脱石炭」の流れに逆らい、石炭火発輸出を進める安倍晋三政権が、輸出を狙う国で石炭火発増設が必要だという電力計画までつくっていたことが分かりました。

 (佐久間亮)


 輸出先の一つが、軍政から民政へと移行しつつあるミャンマーです。現在4カ所で日本企業による巨大な石炭火発の建設計画が持ち上がり、発電容量の合計は最大4980メガワットに達します。

 多国籍企業が進出してこなかった同国を、日本は官民挙げて「最後のフロンティア」と位置づけています。今後の電力需要の伸びを見越し、石炭火発を輸出しようという算段です。

 外務省所管の国際協力機構(JICA)は、ミャンマーの電力マスタープラン策定を“支援”するため2013年に調査を開始しました。JICAの資料によれば、同国で見込まれる急激な電力需要の伸びに対応するため、最大で石炭火発の発電容量を13年の120メガワットから30年までに66倍の7940メガワットにする必要があるというシナリオを示しています。

 同シナリオでは、石炭火発が全電源に占める比率は13年の3%から30年に33%に急増します。一方で、30年の再生可能エネルギーの比率は9%にすぎません(水力除く)。安倍政権が策定した30年の日本の電源構成(石炭火発26%、太陽光7%、風力1・7%)とうり二つです。

 石炭火発の輸出を狙う日本企業の権益のために、日本政府が石炭火発大増設のシナリオを描いているのです。

 東南アジアでの日本企業による開発を監視するメコン・ウォッチの土川実鳴(みなり)さんは、ミャンマーの電力マスタープランのように日本の政府機関が各国の開発計画策定にかかわっている事例は少なくないと指摘します。「開発支援は住民の要求から出発すべきで、マスタープランまで策定して石炭火発を輸出するようなやり方はやめるべきです」


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