2015年12月6日(日)
地方財界人・首長・著名人
国立大交付金 削減に反対
25大学で声明発表
国立大学の運営費交付金の15年連続削減を打ち出した財務省に対し、大学経営協議会の学外委員を務める地方財界人や首長、著名人らが、「存立を危うくする」として強く反対する声明を相次いで出しています。学長声明も含め4日時点で25大学に広がっています。
北海道経済連合会会長ら13人の北海道大学経営協議会学外委員は「科学技術イノベーション推進など政策目標が達成できなくなる。学術研究の発展と高等教育の未来の投資として、基盤的サポート体制の構築が不可欠」と強調。京都府知事、京都市長ら13人が名を連ねる京都大学も「国立大学の将来、我が国を支える科学技術と高等教育の未来に大きな禍根を残す」、佐賀銀行頭取、佐賀県知事ら佐賀大学委員も「地方創生を担う責務を果たすための財政支援が不可欠」とのべています。
新日鉄住金、塩野義製薬、小松製作所など大企業の社長ら大阪大学の委員は「わが国を支える高等教育と科学技術の未来に大きな禍根を残す」と批判。滋賀大学も「国立大学が壊滅的な機能不全に陥り、将来に計り知れない大きな損失を与える」と訴えています。
財務省は交付金を15年間連続削減する方針で、不足分を授業料で補えば93万円まで40万円も値上がりします。
「授業料の増額は、学生たちが大学で学び、未来を切り開いていく機会を国の政策によって奪うことを意味する」と批判するのは、県医師会会長、県看護協会会長らが加わる秋田大学。県医師会会長や自動車販売会社社長ら三重大学の委員は「教育の質や研究の水準すら難しくする。教育格差の拡大や負担増でさらなる少子化の進展にもつながる」と主張しています。
経営協議会学外委員などが反対声明を出した大学(12月4日現在、共同声明を含む)
北海道大学
岩手大学
秋田大学
お茶の水女子大学
横浜国立大学
千葉大学
新潟大学
金沢大学
富山大学
福井大学
北陸先端科学技術大学院大学
三重大学
滋賀大学
滋賀医科大学
京都大学
大阪大学
奈良教育大学
和歌山大学
神戸大学
岡山大学
徳島大学
長崎大学
佐賀大学
熊本大学
鹿児島大学