2015年12月6日(日)
在日米軍経費 新基地建設などで大幅増
過去最高7278億円 辺野古抗議弾圧に1日約1200万円
2015年度の在日米軍関係経費(思いやり予算含む)の総額が過去最高額の7278億円に達したことが判明しました。外務省が日本共産党の赤嶺政賢衆院議員に提出した資料をもとに本紙が計算した結果明らかになったものです(グラフ)。前年度から539億円増額、最も高額だった10年度の7146億円を132億円上回っています。在日米軍の兵士・家族1人あたりの年間金額は約1350万円に上っています。
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米軍関係経費の顕著な増額の背景には、沖縄県名護市辺野古への米軍新基地建設など、米軍再編経費の大幅な増額があります。
関係経費の内訳をみると、再編経費全体が前年度比552億円増の1461億円で、辺野古の米軍新基地建設にかかわる費用が271億円、前年度57億円から約5倍の増額です。
このなかには、新基地建設に反対する市民を抑えつけるための警戒船の契約金額や、キャンプ・シュワブの工事車両入り口を警備する民間警備会社の契約金額も含まれています。防衛省沖縄防衛局は本紙の取材に対し、15年度の契約は2件、43億円であることを明らかにしました。
ゲート前や海上で抗議活動をしている住民ら数百人を抑えつけるため、1日あたり約1180万円を費やしていることになります。
新基地建設をめぐって政府はさらに、辺野古埋め立て承認の代執行を求めて沖縄県を提訴した裁判で福岡高裁那覇支部に提出した訴状で「辺野古沿岸域の埋立工事等のために、平成26年(2014年)度末までに当初契約金額約900億円の契約を締結、既にそのうちの約473億円を支払っている」と説明。埋め立て承認が取り消されれば「上記473億円は全くの無駄金となり、国民がその負担を背負うことになる」と述べています。基地建設に反対する市民を暴力で抑えるだけでなく、埋め立て工事が中止されれば国民の負担となるかのように述べて、反対運動の萎縮を狙っています。
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国民の税金を私財感覚で使うな
沖縄県名護市汀間(ていま)区の新名善治(にいなよしはる)区長の話
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過去最大に膨らんだ在日米軍関係経費からは、辺野古新基地建設の反対運動に対して雇われている民間警備員や、地元漁民を動員した警戒船のお金まで出されているといいます。反対運動のせいで予算が増えたと言いたいのかもしれませんが、住民はそんなことを望んでおらず、政府が全部勝手に予算を組んでばらまいているものです。
非暴力でたたかうということは、われわれは声をあげるしかない。それは必死ですよ。
それを諦めさせるために、東京から機動隊まで導入していますが、現地では高級リゾートに泊まって、基地の前では民間警備員の後ろに立っているだけ。海上保安庁の大型巡視船も沖合にたくさんいながら、一体何の仕事をしているのか。民間人を矢面に立たせ、やり方が汚い。
新たにつくった久辺3区への交付金制度では、自分たちの言うことを聞く地区にはお金を出すが、聞かない地区には出しませんという話です。国民の税金を自分たちのお金のような感覚で使うことは許されないと思います。
(聞き手・池田晋)