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2015年12月5日(土)

減給・停職の違法性認める

都教委の控訴 退ける

東京高裁「君が代」第3次訴訟

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 卒業式・入学式などで「君が代」斉唱時に起立せず、職務命令に従わなかったとして東京都教育委員会から懲戒処分を受けた都立学校の教職員が、処分の取り消しと精神的苦痛に対する損害賠償を求めていた訴訟(東京「君が代」第3次訴訟)の控訴審で、東京高裁(中西茂裁判長)は4日、一審判決の減給・停職処分の取り消しを一部不服とした都教委の控訴を退け、処分の違法性を再度認める判決を出しました。


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(写真)判決を受けて「一部勝訴」などと書かれた旗を掲げる原告ら=4日、東京高裁前

 戒告処分の取り消しと損害賠償を求めた教職員側の控訴も棄却され、過去に「裁量権の逸脱」として停職・減給処分の取り消しを命じた1次(2012年1月)、2次訴訟(13年9月)の最高裁判決を踏襲する形となりました。

 同訴訟で東京地裁は15年1月、都教委が2007年〜09年に教職員50人に行った懲戒処分(戒告25件、減給29件、停職2件)のうち26人31件の減給・停職処分を取り消す判決を出しました。控訴審では、都教委側は一審の判決に対し5人8件の処分取り消しを不服として、教職員側は戒告処分の取り消しと損害賠償を求めて控訴していました。

 判決後の裁判所前には約120人の支援者・市民らが集まり、「一部勝訴」「減給・停職は違法」の旗が掲げられ、東京「君が代」裁判原告団事務局長の近藤徹さんは「都教委は思想・良心の自由を生徒に説明したなどと減給・停職を主張したが、それが間違っていたことははっきりした」と都教委が敗訴したことを報告しました。

 判決後の記者会見で、弁護団事務局長の植竹和弘弁護士は戒告処分取り消しと損害賠償が認められなかったなどの判決について「私たちの主張をかえりみず、結論ありきで形式的に最高裁判決に従った判断だ」と批判しました。

 3次訴訟の原告の一人、渡辺厚子さんは、都教委が処分に関する裁判で連敗していることを指摘し、「司法は処分行政に警告を何度も鳴らしている。処分をして言うことを聞かせるという姿勢を考え直し、やめるべきだ」と訴えました。

 裁判所近くで開かれた報告集会では、弁護団が判決内容の詳細を報告。原告の一人で、吉野典子さん(59)は「私はもう退職しています。『日の丸・君が代』を強制する都教委の通達は生徒と教師をほんとうに悩ませ、苦しめた。最高裁までたたかっていきます」と発言しました。

 「東京『日の丸・君が代』処分取消訴訟(3次訴訟)原告団・弁護団」は声明で、「学校現場での思想統制や教育支配を撤廃させて、児童・生徒のために真に自由闊達(かったつ)で自主的な教育を取り戻すための取組を続ける決意」を表明しています。


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