2015年12月4日(金)
福島事故 賠償打ち切るな
倉林議員 東電の「合意書」撤回主張
参院経産委
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日本共産党の倉林明子議員は3日の参院経済産業委員会で、福島第1原発事故による中小企業や自営業者などの営業損害に対し、東京電力が実質的な賠償の値切りや打ち切りをしている実態を示し、国に適切な指導を求めました。
東電は業者に対して、直近1年間の逸失利益の2倍相当額を営業損害「将来分」として払うとして、業者の合意を求めています。しかし、実際には、東電が「事故との相当な因果関係」がないとして賠償の値切りや申請を却下する事例が発生しています。
倉林氏は「利害当事者の東電が客観的な根拠もなしに、『相当な因果関係』(があるかないか)を決めることなど許されない」と指摘。また、原子力損害賠償紛争審査会(原賠審)では、賠償請求権を放棄するような条項が請求書に記載されることへの懸念が示されていたにもかかわらず、東電の示した「合意書」には、「和解」を確認するかのような「将来分」を含むとの文言が明記されているとして、「原賠審の中間指針からも後退がある『合意書』は撤回させるべきだ」と主張しました。
林幹雄経産相は「個別の事情をうかがって丁寧な対応を行うことが重要」と述べるにとどまりました。倉林氏は「(賠償の)打ち切りが実際に起こっているという実態を踏まえた指導を行うべきだ」と重ねて強調しました。