2015年11月30日(月)
戦争法・TPPを自賛
立党60年 自民式典で首相
自民党は29日、東京都内のホテルで「立党60年記念式典」を開きました。演説した安倍晋三首相は、国民多数の反対の声に背を向け強行した戦争法や環太平洋連携協定(TPP)「大筋合意」などを“成果”として誇ったうえで「来年の参院選で勝利を得て、次なる60年に向かって、大きな一歩をともに踏み出そう」と語りました。
安倍首相は、自民党の60年について、「60年前、先人たちは大義の下に自民党を立党した。その大義とは日本の再建だ。憲法改正、教育改革など、占領時代につくられた仕組みを改めなければならないと決意した」と語り、憲法に立脚した戦後の日本政治の原点を否定。「安定的な経済政策の下、高度経済成長を達成し、世界に冠たる社会保障制度を構築してきた。日米同盟の下、日本の平和と繁栄を守り続けてきた」と日米同盟を美化しました。
安倍首相は、戦争法について「抑止力が強靭(きょうじん)化された」と強弁。農業と地方経済に壊滅的打撃を与えるTPPに関しては「大きな不安を抱えている方がたくさんいることを私も知っている」と強い反対世論に触れつつ、「(農業を)守るためには攻めなければならない」と居直りました。
経済政策に関しては、国内総生産(GDP)が2期連続マイナスにもかかわらず、自らの都合の良い数値を並べてアベノミクスの破綻を取り繕い、「成長と分配の好循環を生み出す」と言い張りました。
「記念式典」には、公明党の山口那津男代表と日本経済団体連合会(経団連)の榊原定征会長が出席しました。
榊原氏は「アベノミクスは日本経済を再生に導いた経済政策として歴史に名を残すことになる」「日米同盟を強化し、先の国会で平和安全法制(戦争法)の制定という大仕事を成し遂げた」と安倍政権を礼賛しました。