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2015年11月29日(日)

きょうの潮流

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 「私達は、違法な報道を見逃しません」と題した意見広告が、二つの大手新聞に掲載されました。中身はTBSテレビ「NEWS23」とキャスターの岸井成格(しげただ)氏を攻撃することに終始しています▼番組で岸井氏が「メディアは安保法案の廃案に向けて声を上げ続けるべきだ」と発言したのは、放送法4条「政治的公平」に違反すると言うのです。もっともらしく条文も示しますが、都合よく放送法の字づらだけをかすめ取っています▼放送法は、放送が時の政権から独立した表現の場であると位置づけ、政治的に公平な番組を作ることを放送局の自主的な規範と定めています。民主主義に寄与すると掲げているのも重要な点です▼広告主は“視聴者の会”なる団体。呼びかけ人として7人が名を連ねています。いずれも安倍首相の応援団を自負する面々です。あの手この手でメディア支配をねらう政権。今回の広告は視聴者を装い個別番組と一放送人を標的にしています。異常です▼この間、個別番組をめぐる厳重注意や事情聴取など政権や自民党のテレビ局に対する介入が続き、市民や放送研究者らから批判が広がっています。放送倫理・番組向上機構(BPO)は「政権党による圧力」と厳しい意見を出しました▼「NEWS23」は25日、日本政府が国連の「表現の自由」に関する調査を突然、断った問題を報じました。攻撃に「屈することはない」とTBS社員。この声が番組を通して視聴者にとどくことが、政権の介入をはねかえす力になります。


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