2015年11月27日(金)
全国800市議会に陳情書ばらまき
「辺野古新基地推進の意見書を」
沖縄・名護 基地賛成派市議
政府の分断工作に呼応
沖縄県名護市議会の基地推進派の野党議員11人が全国約800の市議会に辺野古新基地建設推進の意見書の可決を求める陳情書を送りつけたことについて、自治体関係者などから問い合わせが相次いでいます。
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「沖縄の米軍普天間飛行場代替施設建設の早期実現、沖縄米軍基地の整理縮小及び負担軽減を求める意見書の採択を求める陳情」と題する陳情のほか、意見書案、関連資料を11日に一斉に送付しました。
陳情に名を連ねた複数の野党市議によると、辺野古出身の宮城安秀市議から地元の現状を訴えたいと打診があり、応じることにしたといいます。
「しんぶん赤旗」の問い合わせに宮城市議は「自分の考えでやったもので官邸から言われたわけではない」と答えました。
市長「情けない」
陳情書が全国に送られたことを報道で知ったという稲嶺進名護市長は「情けないなという思い」と感想を述べ、「ああいうやり方が受け入れられるのか」と疑問を呈しました。「野党市議が考えたものではなく、入れ知恵があったのでは」と指摘する市関係者もいます。
同市議会の仲村善幸副議長は「各県の議員から問い合わせがあり、驚いた。とんでもないことをやるなという思いだ」と言い、「政府の意を受けての、民意に対する分断工作でしかない」と批判。日本共産党の仲里克次市議は、久辺3区へ政府が直接交付金を出すこととつながった行動ではないかとみています。
東京都武蔵野市議会は、陳情書が送られる2カ月前、9月議会で「辺野古新基地の建設を強行しないことを求めます」とする意見書を賛成多数で可決しています。
他市での議決に
これに対して同市議会に、「琉球新報、沖縄タイムスを正す県民・国民の会」代表で名護市の我那覇真子氏が「誤った認識の下に行われたものであり、結果的に武蔵野市議会の名誉を大きく傷つけるものになった」と難癖をつけました。
我那覇氏は、2014年11月の知事選で公約を裏切り辺野古新基地建設推進へと転じた仲井真弘多知事(当時)の後援会で広報を担当していました。
我那覇氏は18日、武蔵野市議会の意見書撤回を求める集会で「新基地建設反対の意見書は、工作活動をする人たちの後押しをするもの」と主張しています。宮城名護市議が我那覇氏と連携しているかどうかははっきりしていませんが、同じ流れとみられます。
辺野古新基地建設をあらゆる手段で阻止する翁長雄志沖縄県知事から権限を奪うための代執行を求めて提訴するなど、辺野古現地での反対運動を抑え込むのに血道を上げる日本政府。さらに県民世論をカネで分断しようとしています。こうした中での名護市議会野党議員らの陳情書送付とみられます。