2015年11月26日(木)
早大 5年雇い止め撤回
非常勤講師組合が和解
3000人 無期雇用へ道
首都圏大学非常勤講師組合(東京公務公共一般労働組合加盟)と同組合早稲田ユニオンは25日、厚生労働省内で会見し、早稲田大学が非常勤講師を5年上限で雇い止めにする方針を撤回することで、和解協定を結んだと発表しました。早大で働く約3000人の非常勤講師たちが、5年以上勤務して無期雇用に転換する展望をひらいたことになり、全国の大学に影響を与えるとみられます。
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同組合の組合員などは、早大が2013年3月に就業規則で5年上限雇い止めを定めたことに対し、手続きに労働基準法違反があるとして、刑事告訴・告発などを行っていました。
和解協定は18日、東京都労働委員会の立ち会いのもとに締結。14年3月31日以前から勤務している非常勤講師は、5年上限が撤回され、5年勤務すれば改正労働契約法によって、無期雇用契約へ転換を申し込む権利が発生します。大学側は1人あたりの担当授業を4コマまでに制限しようとしていましたが、8コマまで増やすことになりました。
14年4月1日以降に勤めはじめた非常勤講師について、大学側は雇用期間を10年上限、付属の高校や専門学校については5年上限にすると提案しているため、組合側は上限廃止を求めて協議を継続するとしています。非常勤講師の種類による賃金格差などについても是正に取り組みます。
大野英士早稲田ユニオン代表は、「非常勤講師の多くは大学院までの奨学金の返済を抱え、低賃金だ。非正規雇用全体の問題としてとらえ、運動にしていく」と強調しました。
日本共産党の田村智子参院議員は13年6月の国会質問で、早大の非常勤講師問題を取り上げ、谷川弥一文科副大臣(当時)から「学校法人においても労働関係法に従うもの」と答弁を引き出しました。