2015年11月25日(水)
新基地受注企業に天下り
元沖縄県幹部、仲井真前知事在職中に
埋め立て承認 不当性示す
沖縄県の仲井真弘多(なかいまひろかず)前知事の在職中に、元県幹部(部長級)が、名護市辺野古の米軍新基地建設のための埋め立て工事を受注したコンサルタント会社に天下りしていたことが24日、本紙の取材で分かりました。埋め立てを承認した前知事と受注企業との癒着は、県民への背信行為であり、埋め立て承認の不当性を示すものです。 (山本眞直)
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コンサルタント会社は、「いであ」(本社・東京都)。同工事の環境影響評価(アセスメント)作成や環境監視などの指導、助言を行う環境監視等委員会の運営を防衛省から受注しています。一部の委員に就任後、多額の寄付や報酬を提供していたことが判明し、「公正、中立性が保てない」との批判が強まり、沖縄防衛局は「いであ」を監視委員会の運営、会議での議論の整理、進行などの「業務担当の解除」に追い込まれました。
再就職したのは元沖縄県東京事務所長(2011年4月から13年3月まで在籍)。
仲井真知事時代からの県幹部は本紙の取材に「昨年の3月に『仲井真知事が上京した際に元所長を、いであ側に会わせた』と関係者から聞いている」と証言しました。
「いであ」は「元所長は沖縄支社(那覇市)に勤務し、すでに退職している」と認めています。
しかし、入社・退職日時、(嘱託、顧問などの)待遇、勤務(常勤か非常勤)、沖縄県からの仲介者の公職者名、在職中の業績などについては「回答は差し控えたい」(企画担当役員)と明らかにしていません。
仲井真氏は本紙に「知事時代のことをいまさら一つ一つ確認はできない。(『いであ』への天下り仲介も)ノーコメントだ」と回答しました。
同氏は、埋め立て承認に「瑕疵(かし)はない」と主張していますが、そうであるなら県民にすべてを説明する責任があります。
同時に、同氏の承認を唯一の根拠に埋め立て承認取り消しをめぐる国土交通省の「効力停止」処分、県知事の権限を奪う「代執行」を求めた提訴など、強権的な行為をすすめる安倍内閣はただちに工事を取りやめるべきです。