2015年11月22日(日)
なんだっけ
ロシア陸上界のドーピングって?
Q ロシアの陸上選手が来年のリオデジャネイロ五輪に出場できないの?
A ロシア陸上界が組織ぐるみでドーピング(禁止薬物使用)をしていた。世界反ドーピング機関(WADA)独立委員会の報告書でわかり、国際陸上競技連盟が同国陸連の暫定的な資格停止処分を決めた。このため選手はリオ五輪に出場できない。
Q 不正の内容は?
A コーチや医師がドーピングを指南し、拒否したら代表から外されるケースもあった。WADA公認検査機関の所長は、結果をごまかす代わりに選手に金銭を要求。抜き打ち検査の情報を事前にもらしていた。裏検査所をつくり、陽性反応が出た検体を陰性のものにすりかえて検査機関に送る工作までしていた。1400以上の検体を破棄して独立委員会の調査を妨害するなど悪質極まりない。
Q 国も関与したの?
A 選手やスタッフによると、スポーツ省から公認検査機関に不正の指示が直接あったという。検査機関は、プーチン大統領がかつて長官をつとめた連邦保安局や同省の監視下に置かれていた。独立委員会のディック・パウンド委員長は「国家ぐるみの不正」と結論づけている。
ロシア政府はスポーツを国威発揚の手段と位置づけ、競技団体の人事にたびたび介入してきた。そのもとで現場は振り回され、目先の結果ばかりを追い求めるようになる。スポーツの自主性を保つことが、真に公正で健全な組織に生まれ変わるための最優先課題だ。
(2015・11・22)