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2015年11月22日(日)

きょうの潮流

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 組んでよし、離れてよし、巧(うま)さ、早さ、地力とも一級品。全盛期は“ちぎっては投げ”という形容がぴったりだった―。名解説で鳴らした神風正一さんが評した横綱・北の湖です▼歴代1位の横綱在位63場所、11年間に積み重ねた670の勝ち星も史上最多。しかし、この横綱には数字以上の強さがありました。たくさんの相撲ファンが「憎らしい」「ふてぶてしい」と口をそろえるほどの▼本人は何と言われようが「必死だった」。最年少21歳2カ月での横綱昇進に「果たして自分に務まるだろうか」と不安に襲われる日々。その重圧を持ち前の負けずぎらいと責任感ではねのけてきました▼攻めの相撲が身上でしたが、理事長になってからは守勢一方。新弟子暴行死、朝青龍騒動、自らの弟子の大麻事件が続いて辞任。しかし、賭博や八百長問題で角界が大揺れのなかで再登板。「みんなが頼りにしていた」(春日野親方)という厚い人望で引っ張りました▼口数は少ないものの、人の話をよく聞き、責任は自分でかぶる。何よりも信頼関係を大切にしました。現役時代、土俵に転がした相手に手を貸さなかったのも、自分がやられたら恥、失礼ではないか、との相手を思いやる信念があったから▼「どんな力士も必ずいいところがある。それを伸ばすことがいい相撲につながる」。北の湖理事長が何度も口にしてきた土俵の充実。それを示していくことが、62歳の急逝の間際まで角界の行く末を案じた大横綱の志を受け継ぐことになるはずです。


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