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2015年11月21日(土)

誤配相次ぐマイナンバー通知 配達員も会見に同席!?

無理な配達計画こそ問題 十分な体制と延期を 郵政産業ユニオン

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 マイナンバー通知カードの誤配が相次ぎ、発生した郵便局で記者会見が開かれています。この会見に、誤配した本人を出席させようとの動きがあり、郵政産業労働者ユニオンは「個人責任で終わらせず、誤配をうまない体制を」と求めています。 (堤由紀子)


写真

(写真)マイナンバー通知カードが入った簡易書留

 通知カードは簡易書留で届きます。押印や署名が必要な対面配達で、なぜ誤配が起きるのでしょうか。

 最大の理由は、無理な配達計画です。全5600万世帯への配達という前代未聞の大事業にもかかわらず、政府は国民の不安や反対を押しきり、年明けから制度を開始すると決定。それまでに通知カードが届かなければなりません。

 ところが、この時期は1年でいちばん多忙な時期。12月からお歳暮、カレンダーなどの大型郵便物、クリスマス関連郵便などが殺到します。日本郵便は、11月中に配達を終える計画を立てました。

搬入も遅れ

 しかしその計画は、いきなりつまずきます。自治体から各郵便局への搬入が、当初の予定より1〜2週間遅れました。「情報保護」の観点から、いつ局に届くのかは2日前にならなければわかりません。

 他の郵便物と混同しないよう、カード入りの封書のみをかばんに入れます。配達にかかわった郵政産業労働者ユニオンの須藤和広前書記長はいいます。

 「通常業務でめいっぱい働いた後、夕方から夜の8時、9時ぐらいまで配達する、過重労働が続いています」。21日から23日の連休も返上して、労働者は配達に従事します。

 あて先となる氏名の文字が非常に小さいことも、本人確認作業に手間取る要因です。外灯が暗かったり、なかったりするところでは、バイクのライトで確認。外国人の多い地域では、氏名の読み方がわからず、手間取ります。

 マンションの入り口フロアで、部屋番号を確認してインターホンを押します。「不在が多いとだんだん感覚がおかしくなり、『いまどこまで押したっけ?』とわからなくなる」と須藤さんは話します。

 日本郵便の郵便・物流業務部が各局に出した注意文書にも、「慣れや疲れや焦りで誰にでも誤配の虞(おそれ)があることを指導する」とあるように、会社自身が過酷な仕事だと認めています。

残業で対応

 しかし、人件費削減のため非正規雇用社員を増やしてきた日本郵便に人員補充の考えはなく、本紙の取材に対し広報室は「社員に残業をお願いするという形で、業務量に見合った労働力を確保している」と答えています。

 「防止策」は、「一通ずつ 読んで呼称後 印影確認!」のスローガンをあちこちに貼り唱和する、受け渡しの練習を繰り返すなど。そんななか、局のミーティングで「今後、誤配等が発生した場合は、本人を同席させる」旨の周知がされたところがありました。これについて日本郵便は「そうした事実は確認していない。そういうことがあってはならない」(広報室)としています。

 郵政産業労働者ユニオンは9日、日本郵便に対し、社員同席の会見は絶対におこなわないことなどを緊急に申し入れました。日巻直映委員長はいいます。

 「無理な配達計画のまま個人に責任を押し付けても、誤配はなくなりません。個人情報をしっかり保護するために、人員確保や期日延期など対応を早急に講じるべきです」


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