2015年11月19日(木)
知りたい 聞きたい
日銀のバランスシートって何?
日銀のバランスシート(貸借対照表)で国債が増えていると聞きます。日銀のバランスシートとはどのようなものでしょうか。一般の企業とどう違いますか。(読者)
お金を供給する点に特徴
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貸借対照表はある時点の企業の財務状況がどうなっているかをあらわした表です。左側に「資産」、右側に「負債および純資産」を記載し、資産を買った費用がどこから出たかを示します。左右の合計額は一致します。日本銀行も10日ごとに貸借対照表を作成、発表しています。11月10日時点では表のようになっています。
日銀は紙幣(銀行券)を発行する唯一の金融機関であり、中央銀行として市場にお金を供給します。一般の企業や民間銀行と決定的に違う点です。貸借対照表にもその特徴が表れます。保有する資産(左側の表)は現在373兆9092億円。ほとんどが国債(317兆4049億円)です。2013年4月から実施している「異次元の金融緩和」によって大量の国債を民間金融機関から買い取ったため、膨れ上がりました。指数連動型上場投資信託(ETF)、不動産投資信託(Jリート)も増えました。これらの金融資産は市場の動向によって値段が変動するリスク性資産です。
国債などを買うお金がどこから出たかと言えば、日銀自らです。日銀が供給するお金(中央銀行通貨)は紙幣と日銀当座預金です。日銀当座預金は民間金融機関が日銀に持っている、銀行の銀行口座です。日銀は民間金融機関から国債を買い入れ、代金を各行の日銀当座預金口座に振り込みます。これによって市場に供給される中央銀行通貨が増加します。貸借対照表右側の「負債および純資産」では当座預金が最も多く、「異次元の金融緩和」によって急増しています。
ETF、Jリート、株式は信託銀行を通じて購入するので貸借対照表では「金銭の信託」と記載されます。
(2015・11・19)
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