2015年11月18日(水)
警視庁の機動隊投入 辺野古抗議行動を弾圧
焦る政権 蛮行激化
税金使い高級リゾート宿泊 県民の怒り拍車
沖縄県名護市辺野古への米軍新基地建設に必要な埋め立て承認を翁長雄志知事が取り消したにもかかわらず、工事強行を狙う安倍政権。これに抗する住民らを警察を使って暴力的に排除していますが、弾圧は警視庁機動隊の投入でいっそうエスカレートしています。
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「新基地反対の県民の声を聞け」「暴力はやめて」―。16日午前7時、辺野古の米軍キャンプ・シュワブのゲート前で基地建設の工事車両を阻止しようと座り込む住民らの抗議の声を無視して、屈強な機動隊員が襲いかかります。
問答無用に
手足を乱暴につかんで体を持ち上げて次々と拘束。「痛い、痛い」と叫ぶ高齢の女性にも情け容赦ありません。倒れた人を無理やりに引きずり排除。機動隊の蛮行を撮影する市民にも「なにをしてんだ」と詰め寄り、ビデオカメラを取り上げようとします。
辺野古では、市民の座り込みへの暴力的排除が日増しにひどくなっています。その実態を聞いて行動せずにはいられないと、那覇市から早朝かけつけた市民(65)は「機動隊員につかまれた手首が痛い。安倍政権の冷たい姿勢が反映しているのではないでしょうか。でも、暴力で県民の新基地反対の意思はつぶせません」と語気を強めます。
反対運動を続けている男性(65)は「沖縄県警だけの時は、もう少し会話が通じたが、警視庁の機動隊が投入されてから問答無用になった」といいます。
警視庁機動隊は、今月4日から投入されました。派遣人数は約130人。複数の部隊から選抜されていますが、中心は第1、第4機動隊とみられます。
警察に詳しいジャーナリストはこう解説します。「どちらも精鋭部隊。とくに第4は『鬼の4機』と呼ばれるほど強面(こわもて)。警視庁の動きの背景には、安倍政権の意向があるのではないか」
安倍首相の最側近の一人といわれる杉田和博内閣官房副長官は、警察庁警備局長の出身。機動隊を派遣した警視庁トップの高橋清孝総監も同じポストの経験者です。
県民の怒りの火に油を注いでいるのは、警視庁機動隊が県内有数の高級リゾートホテル(名護市)に宿泊していることです。「国民の税金をムダ遣いして国民を弾圧するな」と、座り込み参加者からも批判があがっていました。
同ホテルを訪ねると広大な敷地にゴルフ場、テニスコート、プールもある豪華な雰囲気。一般客に目立たない場所に「練馬」「品川」ナンバーの機動隊大型バスが4台駐車していました。
あきらめぬ
自らも機動隊の蛮行を受けた日本共産党の仲里克次名護市議は、こう力を込めます。
「安倍政権が強圧的態度を強めているのは、焦りの表れです。強引に作業を進めることで基地建設の本体工事が始まってもいないのに、粛々と進んでいるかのようにみせて、県民をあきらめさせようとしている。しかし、辺野古新基地をつくらせないという県民、そして国民の思い、力を集めて絶対に阻止します」