2015年11月18日(水)
新基地容認できぬ 翁長知事、国と全面対決
政府が代執行求め提訴
安倍政権は17日、沖縄県名護市辺野古への米軍新基地建設を阻止するため埋め立て承認を取り消した同県の翁長雄志(おながたけし)知事を相手どり、知事の権限を奪って自ら取り消し処分を撤回するための代執行訴訟を起こしました。これを受け、福岡高裁那覇支部は第1回口頭弁論を12月2日に開きます。翁長知事は17日の会見で、「代執行訴訟は県民にとって『銃剣とブルドーザー』による強制接収を思い起こさせるものだ」と批判し、自ら法廷に立って徹底抗戦する考えを表明しました。
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来月2日口頭弁論
地方自治法に基づく国の代執行訴訟は、2000年の同法改定によって現行制度ができて以降初めて。沖縄県と国の米軍基地問題をめぐる法廷闘争は、1995年の「代理署名拒否訴訟」以来、約20年ぶりとなります。
国が、昨年以来、沖縄県内の選挙で繰り返し示されてきた圧倒的な反対の民意を踏みにじる強硬手段に踏み切った形で、新基地阻止のたたかいは司法の場も含めて争う新たな段階に入りました。
原告は公有水面埋立法を管轄する石井啓一国土交通相となります。
国は訴状で、被告・翁長知事の承認取り消しによって米軍普天間基地(宜野湾市)の辺野古「移設」ができなくなり、「日米の信頼関係に亀裂が入り崩壊しかねない」不利益をもたらすと強調。普天間基地の固定化で「沖縄県の経済発展の計画は白紙に戻され」るとも述べ、露骨などう喝姿勢を示しています。
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さらに知事の取り消しは、1968年の最高裁判決が示した行政処分の取り消し要件を満たさないとし、仲井真弘多(なかいまひろかず)前知事による承認の瑕疵(かし)に踏み込むことなく、入り口論で早期判決を勝ち取りたい姿勢をにじませました。
高裁で国が勝訴した段階で、翁長知事が判決に従わなければ、国交相自らが埋め立てを認める代執行が可能になります。
翁長知事は会見で、「自然豊かな辺野古の海を埋め立て、耐用年数200年ともいわれる基地を建設することは、何があっても容認できない。埋め立て承認・取り消しの権限は知事にあり、政府から違法と決めつけられるいわれはない」と反論しました。
また、菅義偉(よしひで)官房長官は会見で、前知事による埋め立て承認を根拠に、「行政の継続性という観点から、埋め立てを進めていくのは当然のことだ」などと述べ、民意を一顧だにしない姿勢を改めて示しました。